2008年2月20日

『我慢するな! 部下は堂々と叱れ!』古川裕倫・著

【ここまで指導できれば人は動く】
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本日の一冊は、かつてホリプロの取締役執行役員として活躍し、ベ
ストセラー『他社から引き抜かれる社員になれ』でも知られる著者
が、尊敬される上司になるための現場の心構えを説いた一冊。

※参考:『他社から引き抜かれる社員になれ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903241289/

ユニークなのは、部下教育と子育てを同時に論じている点で、大体
の場合、この手の試みは失敗に終わるのですが、本書の場合は、両
者の本をズバリ突き、読み応えのある内容に仕上がっています。

まずは、部下にしろ、子供にしろ、その目的は、「自立できるよう
にすること」というところから始まって、ほめ方、叱り方、教え方、
モチベーションの上げ方などを具体的に論じていきます。

やる気を出させるために「完成形を見せる」、応用問題を解くため
に「世間の常識や会社の基本的なこと」を教えるなど、細かいテク
ニックがいくつも紹介されており、参考になります。

50代の方が書いているということで、若干新米マネジャーからは心
理的距離があるかもしれませんが、文章も読みやすく、実践的な知
恵をうまくまとめていると思います。

大企業のマネジャークラス、そして中小企業の経営者・人事の方に、
ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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子供の教育の目的は、子供が自立できるようにすること

叱るときは、問題があったらすぐにその場でしかることです。他人
の目が気になれば、後で話すことがあるとすぐに伝えます

何もかもを野放しにしていれば、どんな会社でもそのレベルは必ず
下がります。人間は楽をしたいという本能があるからです。上司が
しっかり教育・指導するとか、評価制度で人を評価するとかがない
と、確実にレベルが下がります

人にモノを教えることは、難しいと言えば難しいのですが、やり方
はいくつかあります。その中で重要なことの一つに完成形を見せる
ということがあります。今やっている目の前の仕事が次の結果を生
み出し、発展して最後にどうなるのか、どうなるべきか、というこ
とを見せてあげることです

放任主義では部下も子供も育ちません。ある程度の世間の常識や会
社の基本的なことをわかっていないと、部下は決して応用問題はで
きません

褒めるとはよい部分をよいと指摘することであり、甘やかすとはよ
くない部分を悪いと指摘しないことです

めんどうがらずに目的を説明せよ

「これはどうしましょう」ではなくて、「この問題の解決にはA案、
B案、C案があります。私はA案を採るべきと思います。理由はこ
うです」と言わせるように指導することです

決めておくことの利点はたくさんありますが、そうしておけば、必
要なときに判断に迷わないので効率が上がる。全員が知っているの
で瞬時にして同じ行動が取れる

まずは得意分野で一番を目指せと言ってやるべき

電車の中では子供を立たせよう

職場においても部下に仕事以外の役割を持たせること

部下が自責を認めて謝罪したら、上司は部下を褒めてやるべき

正直であることは人間の信頼関係の基本です

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『我慢するな! 部下は堂々と叱れ!』古川裕倫・著
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◆目次◆

はじめに
第1章 バカヤローと言って何が悪い
第2章 必ず向かい合って教えよ
第3章 やさしさを勘違いするな
第4章 職場・学校環境の変化を知る
第5章 部下や子供とのコミュニケーション
第6章 子供を躾けるように部下を躾けよ
第7章 会社・家庭でのリーダーシップは同じ
第8章 ほとんど一緒だが少し違う会社と家庭の教育
終 章 信頼と厳しさを分けよ
おわりに

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