【人生で本当に大切なこと】
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予備選でヒラリー・クリントンが勝利し、米大統領選ががぜん盛り上がってきました。

選挙といえば、投票前の演説が最大の見せ場だと思うのですが、土井はいつも地元で演説している政治家を見て、思うことがあります。

それは、一生懸命話をしているのに、誰も足を止めて聴いている人がいないということ。

選挙に無関心な人々を批判しようというのではありません。仮にも
政治家になる人なら、思わず足が止まってしまうほどの、魂が揺さ
ぶられるぐらいのスピーチをするべきだ、と言いたいのです。

このことは、部下や取引先、顧客を動かしていく経営者にも言える
ことだと思います。

では、なぜスピーチが心に響かないのか。それはおそらく、技術も
さることながら、その根底に確固たる信念や覚悟がないのが最大の
理由でしょう。

しかしながら、人の上に立つ人が本気で信念を貫こうと思ったら、
やはり「勇気」が必要です。

本日ご紹介する一冊は、今は亡きジョン・Ｆ・ケネディが、アメリ
カの歴史上、重要な決断をした政治家たちを取り上げ、この「勇気」
をテーマに論じた一冊。

1950年代の全米ベストセラーであり、ピューリッツアー賞も受賞し
た名著が、満を持して復刊ということで、今後注目したい作品です。

アメリカの歴史に詳しい方のほうがより楽しめると思いますが、偉
人たちの名言をひろうだけでも十分価値のある一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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大きな危機によって大きな人物が生まれ、そして勇気にあふれた大
きな行動が生まれる

「私は嘘偽りのない人気を、つまり、善良な活動に対する善良な人
々の評価を、大切にしている。私は中身のないにわか人気を嫌悪し
ている。というのも、そんな人気は、獲得しても何の価値もないし、
何一つバカげたことをしなくてもあっさりと消えてなくなるからだ」
（トーマス・ハート・ベントン）

「この先、私の身に個人的に何が起こっても、政治家としてどんな
ことを考えたり感じたりしても、自分自身の判断に疑問を差し挟む
つもりはない。人生の残りの日々が、キャベツを植えて過ごすだけ
で終わってもよいではないか……必要とあれば、裏切り者と非難さ
れ、自分に模した人形を焼かれるだけの覚悟はしておこう」
（ウィリアム・ピット・フェセンデン）

「議長、これらの決議案と私の良心との間には、巨大な海溝が横た
わっています。私には越えられません……かつて教育の場でお手伝
いするという栄誉を頂戴した私の州の若者に対して、私は常に、真
実は嘘偽りよりも大切、誠実さは陰謀よりも、勇気は臆病よりも大
切であることを心に刻ませようと奮闘してきました」（ルーシャス・ラマー）

歴史は問いかける
「その人物はあくまで誠実だったか
　私利私欲はなかったか
　勇気の持ち主だったか
　揺るぎない意思の持ち主だったか」
現在のアメリカには、これらの四つの質問に、ジョージ・ノリスの
向こうを張って、堂々と明確にイエスと答えるだけの資格のある政
治家はほとんど見当たらないのだ（フランクリン・ルーズベルト）

「どれほど見下げ果てたドイツ国民の指導者であっても、その人た
ちを処刑することが侵略戦争の抑止につながる、という議論には問
題があると思っている（中略）復讐というものが正義であることは
めったにない。判決をくだされた十一人の処刑はアメリカの歴史に
残る汚点となり、われわれはそれを長い年月にわたって後悔するこ
とになるだろう」（ロバート・Ａ・タフト）

公共の利益が歪められるのは、政治家が公共の利益も自分自身も大
切に思わないとき、あるいは、政治家自身の自己愛の底が浅いため
に、公職にしがみつくことによってその自己愛が満たされていると
きだ。そしてあらゆる人が恩恵を受けるのは、政治家の自分自身に
対する要求が高いために、その自尊心が、本人に勇気と良心の道を
進むよう命じるときだ

人生のどんな舞台の上で勇気を試されることになっても、自分の良
心に従うことによってどんな犠牲を払うことになっても、友人、財
産、心の安らぎ、そして仲間の尊敬までも失うことになっても、わ
れわれは一人ひとり自分の進むべき道を決めなければならない

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『勇気ある人々』
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◆目次◆

序文　ロバート・Ｆ・ケネディ
はじめに
第１章 勇気と政治
第２章 ジョン・クインシー・アダムズ
第３章 ダニエル・ウェブスター
第４章 トーマス・ハート・ベントン
第５章 サム・ヒューストン
第６章 エドムンド・Ｇ・ロス
第７章 ルーシャス・クインタス・シンサネイタス・ラマー
第８章 ジョージ・ノリス
第９章 ロバート・Ａ・タフト
第10章 勇気ある人は他にもいる
第11章 勇気の意味
付録
訳者あとがき
参考文献
人名索引
訳注