2007年12月1日

『強い現場をつくるトヨタの上司』

【こんな上司になりたい】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806128686

本日の一冊は、今なお成長を続ける驚異の大企業、トヨタの現場力の秘密を、トヨタ勤続40年以上の元現場責任者の証言をもとに明らかにした一冊。

トヨタ生産方式を生んだ大野耐一をはじめ、かつての現場リーダーたちの名言や教えが散りばめられており、経営者、現場リーダーの生きた教科書として重宝する一冊です。

「会社を成長させ続けていくには、現場レベルのリーダーの育成が重要」という意見は、本書を読むまでもなく、ほとんどの経営者が同意すると思いますが、問題はそのためにどんなマネジメントを行えばいいのか。

本書は、かつての名リーダーたちの指導スタイルやコミュニケーシ
ョンスタイル、具体的なエピソードを紹介することによって、この
気になる点にズバリ答えてくれます。

「いままでの延長線上にない、『無茶苦茶な目標』を与えなさい」
「優秀な人間から動かせ」
「部下に『おいしさ』を伝えろ」

いずれも示唆に富んだ言葉ばかりで、人材活用の面でも参考になります。

お手軽系の本ではありますが、自らがリーダーとして成長するため
に、また部下を成長させるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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何でも自分たちで考えさせる。考えに考えた末に出てきた案であれ
ば、「お前たちがいいと思うならやってみろ」と任せる。さらに、
それが予想を超える素晴らしいものであればほめる。大野耐一は、
そんな上司だった

「やっぱり口うるさく言う人がいなくなったら、職場はダメになる
と思うんです。会社を良くすること、人を育てることを真剣に考え、
鬼になって言い続ける人が必要です。そういうリーダーはきっと、
その会社の歴史に残るだろうし、『うるさいあの人がいたから、今
がある』という存在として記憶されると思うんです」

トヨタの場合は、「人事考課」で一方的に評価するだけではない。
その前に、現場の上司が部下と対面し、「自分はこのように評価す
る」「これからこのように働いてほしい」と話し合うしくみも設け
ていた。それが、期初と期末の年二回行われる「話し合い制度」だ

担当ラインの全作業に精通しなさい(中略)仕事の知識をしっかり
持つということが、部下を育てる一つの技能にもなる

「自分に与えられた職場」だけを見ていては、部分最適に陥ってし
まう。全体のなかで、自分の職場はどうすればいいのかを、つねに
考えることが必要だ。そのためには、現場リーダーには、前工程、
後工程の仕事の知識も求められる

教える技能、人を使う技能、カイゼンする技能。この三つの技能が
あってこそ、トヨタでは現場リーダーとして認められる

人間の知恵に限界はない。リーダーは時間のあるかぎり、ぎりぎり
まで自分の頭で考える

監督者は部下を通じて成果を上げる

いままでの延長線上にない、「無茶苦茶な目標」を与えなさい

優秀な人を送り出せば、彼らを送り出した現場にとっても得ること
が大きい

「『おい、やるぞ』と部下に言って、ぐいぐい引っ張っていくこと
は大事だ。でもな、その前に、部下においしさをわからせなければ
いけない」

上司の背中を見て部下は育つ。だから常に先を行く存在でいなさい

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『強い現場をつくるトヨタの上司』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806128686
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 第1章 あの上司からこんなことを教わった
┃ 第2章 トヨタのリーダー教育
┃ 第3章 リーダーを育てるトヨタのしかけ
┃ 第4章 トヨタの上司の「部下の育て方」
┃ 第5章 トヨタの上司の「考え方」
┃ 第6章 トヨタの上司の「あるべき姿」
┃ 
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