2007年12月2日

『世界で最も賞賛される人事』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534043031

本日の一冊は、GEやジョンソン&ジョンソン、アメックスなど、売上高で数千億円~数兆円を誇る世界のトップ企業6社を、人事制度の面から分析・紹介した一冊。

GEが重きを置く「GEバリュー」や、内部でのリーダーシップ育成プログラム、フィードバックとコーチング、ナインブロックによ
る評価など、GEに関しては50ページの紙幅を割いてその人事制度を紹介しています。

ほかにも、ジョンソン&ジョンソンのパートでは、有名な「我が信条」、タイレノール事件の対応、社内での評価システムを紹介。

アメックスは、その組織図と「8つのバリュー」「8つのコンピテ
ンシー」、P&Gは「5つの主要な行動目標」を紹介しています。

上記4社に関しては、文章量も多く、かなり突っ込んだ分析がなさ
れていますが、他の2社に関してはちょっと食い足りない印象。

とは言え、6社以外にもコラムでBMWやマイクロソフト、ノキア
の制度にも言及しており、全体で見ると示唆に富んだ内容です。

全体を通じて伝わってくるメッセージは、理念だけで人は動かない
ということ。やはり具体的に動かすためのシステムがなければ、行
動も結果も伴わない。

本書ではまさにそのシステムを、世界的企業から学ぶことができます。

社内の人事制度策定に悩んでいる経営者、マネジメントの要諦を学
びたい方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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BMWでは「ディスカッション・ラウンド」という仕組みがありま
す。これは人事評価が偏らないよう、部門ごとに部下を持つマネジ
ャーが集まって行なうミーティングです。それぞれ自分の部下につ
いての評価を述べ、その評価に対して、隣接部署のマネジャーが意
見を言い合うのです

◆GEバリューの4つのアクション
1.イマジン(imagine)
2.ソルブ(solve)
3.ビルド(build)
4.リード(lead)

重要なのは、一つひとつのビジネスを細かく知っているかどうかよ
りもむしろ、「知らないことをどのようにマネジメントするか」で
す。GEのリーダーが早い段階から、さまざまな分野のマネジメン
トを経験するのは、知らないことをマネジメントする方法を身につ
けるためです

◆「ナインブロック」による評価
業績によって、コミットメント以上の結果を出した人(エクセプシ
ョナル=優秀)、コミットメントどおりだった人(サティスファク
トリー=満足)、コミットメントを達成できなかった人(ニーズ・
インプルーブメント=要改善)の三グループに分けます。次に各グ
ループの中でGEバリューを非常に高く持っている人、普通の人と、
改善が必要な人の三種類に分けます。その結果、合計で九つのブロ
ックに分かれます

◆ジョンソン&ジョンソン
「我が信条」は、まず、医者や患者に対する責任、次に社員、三番
目に社会、そして最後に株主に対する責任をあげている

「任せる」ことが大事です。信頼されて任されるほど、人のやる気
を喚起することはありません

まずはとにかく優秀な人材を採用する。そのためには前段階のプロ
モーションも重要です。企業をアピールし、人材を惹きつけ、雇用
し、活用し、きちんと評価し、育成して定着させる

◆P&Gの5つの主要な行動目標
1.多様性を確保する
2.企業理念に基づく行動を徹底させる
3.社員の意欲と向上心を引き出す
4.人材は内部で育てる
5.変化への適応力と生産性の高い組織をつくる

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『世界で最も賞賛される人事』
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┃▼目次▼
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┃ Part1 改革を迫られる日本型人材マネジメント
┃ 第1章 会社という「モチベーション刺激システム」
┃ 第2章 精密さを増す欧米の人材マネジメント
┃ 第3章 日本企業と欧米企業の根本的違いとは
┃ 第4章 欧米超優良企業の人材マネジメント
┃ Part2 世界で最も賞賛される人事
┃ 1.GE?「GEバリュー」に基づくリーダー育成戦略
┃ 2.J&J?「クレドー」が生む驚異の増収増益経営
┃ 3.アメリカン・エクスプレス~社員への目配りを重視したコンピテンシーの活用
┃ 4.P&G?さらに経営戦略と一体化する人材マネジメント
┃ 5.フェデックス~人重視の伝統によるきめの細かい人事施策
┃ 6.ネスレ~人事部門の最大の役割は企業風土を変革すること 
┃ 
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