2007年12月11日

『ザ・ジャストインタイム』

【読み応えあり】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478000468

本日の一冊は、トヨタ生産方式の全容を初めて小説にしたという、画期的なビジネス小説です。

すぐに手を打たないと、2、3カ月で破産。会社の資産は何もかも抵当に入っており、これ以上の融資は見込めないという最悪の状況に陥った工場経営者のフィル。

倒産寸前の彼を救ったのは、親友の父親で元自動車部品メーカーの重役だったボブ・ウッズが教えたトヨタ生産方式でした。

ご存じのように、トヨタ生産方式に関しては、数多くの書籍が出さ
れていますが、やはり現場を見ないで文字だけでイメージするには
限界があります。

その点本書は、現場を舞台にしたフィクション形式のため、具体的
にどうやって工場を立て直すか、イメージが湧きやすくなっています。

大ベストセラーとなったビジネス小説『ザ・ゴール』ばりのスリリ
ングな展開で、内容は通常のビジネス書の約3倍の密度。

※参考:『ザ・ゴール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478420408/

これ一冊で、生産・オペレーションに関しては、かなり実践的な知
恵が手に入るはずです。

500ページ近くあって読むのには骨が折れますが、それだけの価値は
十分にあります。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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能率よくあるためには、価値、つまり顧客が金を払いたいと思うよ
うな働きを最大限にすることだ

利益を上げる経営の秘訣は、固定費を増やさずに生産を増やす道を
見つけ出すことだ

◆七種類のムダ
1.作りすぎ 2.手待ちのムダ 3.運搬のムダ 4.加工のムダ
5.在庫のムダ 6.動作のムダ 7.作り直しのムダ

「納期を基本に考えろということですね。速くても遅くてもいけな
い」「正解だ。そしてそのためには、リズムが必要だ。ペースメー
カーとなるものが。要するに、それが『タクトタイム』だ。それが
工場全体にリズムを与えてくれる」

レッド・ビンだ。赤いプラスティックのゴミ箱をいくつか用意した
まえ。それをそれぞれの持ち場に置く。作業者に与える指示はひと
言、「作り直すな」だけでいい。手に取った部品に何か気に入らな
いところがあれば、それが前工程から流れてきた装置だろうと、材
料だろうと、赤いゴミ箱に入れる

よい仕事をする作業者とは、どんな単純作業も抜かさずにやる作業
者のことだ

「ジャストインタイムだ」父はじれったそうに言った。「消費され
たのと同じ数量を、消費された順番に作るんだ」

◆6つのかんばんのルール
1.後工程は前工程へ必要なものを引き取りにいく
2.前工程は引き取られたものだけを生産する
3.かんばんがある場合のみ、生産や引取りが行われる
4.かんばんなしで工場内を移動するものはない
5.前工程から送られるものに不良はない
6.徐々にかんばんの数を減らす

現場はものだけでなく、アティテュードも包含するものなのだ。工
場のなかで真に重要な場所はただ一つ、顧客のために実際に作業を
行う作業現場であることを、経営陣が心から信じて生産に取り組ま
なければならない

注文が入るのをただ待っているのではなく、顧客が作ろうとしてい
る量を事前に知ることだ

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『ザ・ジャストインタイム』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478000468
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┃▼目次▼
┃ 
┃ 第1章 利益は王様、しかしキャッシュが支配する
┃ 第2章 流れのなかの黄金
┃ 第3章 タクトタイム
┃ 第4章 作業の標準化
┃ 第5章 すべては人
┃ 第6章 プルのための平準化
┃ 第7章 かんばんによる指示
┃ 第8章 現場アティテュード
┃ 第9章 平準化ウェイ
┃ 第10章 永遠の改善
┃ エピローグ
┃ 謝辞
┃ 解説
┃ 
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