2007年9月28日

『アルファドッグ・カンパニー』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820218

本日の一冊は、規模は必ずしも大きくはないが、キラリと光る業界リーダーを紹介した注目の一冊。

タイトルにある「アルファドッグ」とは、「自他ともに認める群れの先頭、最強の犬」という意味だそうで、本書には、異常な顧客サービスで業績を伸ばしている自転車屋、派手なパフォーマンスと個性的な接客で知られるアイスクリームチェーンなど、まさに「アルファドッグ」と呼ぶにふさわしい優良企業が登場します。

読んでいて若干退屈な部分もありますが、それぞれの企業の具体的な取り組みを学べる点が「買い」です。

各企業が顧客を囲い込むためにどんな施策を打ち出しているのか、
従業員のモチベーションを上げるためにどんな投資・教育をしてい
るのか、取引先に対して交渉力を持つためにどんなことをしている
のかなど、経営者であれば、ぜひ知っておきたい情報が満載です。

なかでも、大手小売業の脅威に負けず、独自のポジションを築いた
ゼインズ・サイクルズ、従業員に顧客の気持ちをわからせるために
独自の教育を実施しているドロシー・レインの例は参考になりました。

メーカーを営んでいる人には、スポーツ用靴下メーカー、ソロ・イ
ンコーポレイディッドの例が役立つと思います。

個性的な企業を作ろうと考えている起業家・経営者におすすめです。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「ビジネスから生み出される本当の製品は、ビジネスそれ自体なの
だ。(中略)起業する場合のモデルは、ビジネスの具体的な成果よ
りも、その成果を生む手法・プロセスの方に重点を置くべきだ。つ
まり、世の中に普及した製品が重要なのではない。重要なのは、そ
うした製品を生み出す手法の方なのだ」(マイケル・E・ガーバー)

勝負する土俵を変えられない限り、誰であれ、群れの先頭に立つの
はきわめて難しい

ほとんどの購入客は最初の一年の間に、無料サービスの恩恵を受け
に来店する。ところが二年目になると、その割合はわずか二〇から
三〇パーセントに減ってしまう。したがって、三年目、四年目とな
ると、その割合はごくわずかになるだろう、と踏んだのだ。では、
実際にそのサービスを受けにくる人たちはどうするだろうか。彼ら
こそ自転車をこよなく愛する顧客であり、無料のサービスを受けよ
うと愛車を持ち込んできて、それだけではなく、ついでに一〇〇ド
ル相当のアクセサリーも買ってくれるような人たちではないのか。
しかも、ゼインズ・サイクルズの心地よさを仲間に触れ回る、そん
な宣伝もしてくれるだろう

新人は適当にチームを組み、青果のリストにあげられた二三品目を
かき集めるよう指示される。そのリストにはマスカルポーネや酢酸
バルサミコ、オレゴン・チャイといった、普段聞き慣れないような
品目も入っている。「誰の力も借りずに一〇分以内に集めること。
その過程で顧客の気持ちがわかるはずだから」

知識を身につけた顧客は品物のクオリティーを価値の計算式に入れる

「ビジネスは世の中に貢献するための効果的な牽引力になれる、と
いうことに気がついた。金よりも貢献の方にこそ、価値があるので
はないだろうか」(エイミー・シモンズ)

「小売店が消費者を抱き込む前に、私たちが消費者を抱き込みたい
と考えています。そうなれば、あらゆる流通チャネルが、好むと好
まざるとにかかわらず、私たちのブランドを扱わざるをえなくなる」
(ジム・ソロンバーグ)

◆アルファドッグ7つの共通項
1.巨人を倒す
2.コミュニティーとのつながりを強固にしている
3.消費者と直接的で濃密な関係を築いている
4.従業員の成長に真剣に取り組んでいる
5.現実の仕事の流れだけではなく、顧客の体験を重視する
6.新しいテクノロジーを独自の発想で活かす
7.日用品の勝負から抜け出す

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『アルファドッグ・カンパニー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820218
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┃▼目次▼
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┃ 日本語版のためのまえがき
┃ 第1章 群れの先頭に立とう
┃ 第2章 顧客の心を奪い取ろう
┃ 第3章 従業員の心をつかめ
┃ 第4章 地元密着に賭けよう
┃ 第5章 「ありきたり」にイノベーションの息吹を
┃ 第6章 ブランドを売り込もう、社外に、そして社内にも
┃ 第7章 「村」をつくろう
┃ 第8章 自己革新の道を進もう
┃ 第9章 アルファドッグのDNA
┃ 謝辞
┃ 訳者あとがき
┃ 
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