2007年9月5日

『”働く”をじっくりみつめなおすための18講義』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756911137

本日の一冊は、「キャリアの自画像」(ポートレート)を描くという独自の方法論でキャリア教育プログラムを開発・実施している著者が、若い世代に向け、キャリア指南を行った一冊。

キャリアの方向性を見失った若いビジネスパーソンに働くことの意義とキャリアの描き方を述べた本ですが、特筆すべきは、「仕事ができる」ということの本質的意味と、キャリアの展開方法が具体的に示されている点。

スポーツ選手を例にあげ、どんなキャリアの展開方法があるのかを図で示し、詳しく解説するなど、かゆいところに手が届く内容です。

著者がイリノイ工科大学大学院や一橋大学大学院で学んだマネジメ
ント論をベースに、自らの転職経験、現職でのメソッドを加味して、
類書にはない魅力的なキャリア指南を展開しています。

この手の話をマネジメント向けに説いた本はたくさんあったのです
が、あえて若手ビジネスパーソンに向けて書いた点は、じつに目新
しく、かつタイムリーでもあります。

著者自身が慶応義塾大学卒業後、プラス、日経BP社、ベネッセコ
ーポレーション、NTTデータなどを経て独立しているだけに、机
上の空論にとどまらない点も評価できます。

自分探しや転職など、うだうだ言っている暇があったら、本書を一
冊読めば、悩みはスッキリ解決できるはずです。

悩めるビジネスパーソンとその上司に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「働く」とは、個人の生き方、価値観、表現といった個性の問題で
あり、何か公式があって、それに当てはめて正解が出る式のもので
はありません

「思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術の高尚正直なるは元禄武
士のごとくにして、之に加ふるに、小俗吏の才能を以てし、之に加
ふるに、土百姓の身体を以てして、始めて実業社会の大人たるべし」
とは福澤諭吉の言である。彼は才能をようやく3番めに置いている

何かが「できる」と、仕事上で「成果を出す」とは別物

手段の取得に終始しているキャリアには早晩行き詰まりがみえてき
ます。誰しも、特に30歳前後からは、仕事の目的(目標+意義)を
自分なりに見出し、自分の仕事をつくりだしていかなければキャリ
アの展開は望めない

自分の健康状態は長きにわたる仕事人生を思うように送っていくた
めには大事な資本です。いくら抜きん出た才能に恵まれていても、
身体がぜい弱では事を成すことができません

血は、肉体を維持するための条件であって、目的にはなりません。
そう考えると、利益追求が企業にとっての目的ではなく、条件であ
るとするドラッカーの指摘は明快な力強さを帯びてきます

一般的に、内発的動機は持続的で、意志的です。それに対し、外発
的動機は、単発的で、反応的になります

自分の知る力を強くするためには、自分の中にモワモワと無形で、
あいまいとして、感覚的に持っている知を、他者にも共有できるよ
うな目に見える形として自分の外に出そうとすること

満足のいく仕事人生を築いていくにはさまざまな要素が必要になり
ますが、最も重要なものは「自分を試す勇気」と「状況をつくりだ
す力」ではないでしょうか

「みずからの運命をコントロールせよ。さもなくば他の誰かがそれ
をするであろう」(ジャック・ウェルチ)

演劇の世界に、次のような言い方があります。
「小さな役はない。小さな役者がいるだけだ」

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『”働く”をじっくりみつめなおすための18講義』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756911137
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┃▼目次▼
┃ 
┃ 第1章 仕事・キャリア
┃ 第2章 知識・能力
┃ 第3章 働くマインド 
┃ 第4章 仕事の幸福
┃ 
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