2007年8月26日

『世界のどこにもない会社を創る!』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794216181

本日の一冊は、セコムの創業者、飯田亮さんによる、ありそうでなかった自伝。経営やビジネスに関する本はいくつかありますが、自伝としては、どうやらこれが初めての作品のようです。

20代で起業し、日本にセキュリティ産業を作った男が、どのような環境で育ち、どのようにしてビジネスで成功するに至ったのか。じつに興味深い話がいくつも紹介されています。

ノンフィクションとして、ビジネスの心構えとして読めるのは多くの方の自伝と同じですが、本書の面白いところは、行間からかなり実践的な経営のアイデアが読み取れる点です。

なかでも、前金制にして資金繰りをラクにした話や、機器を販売せ
ずにレンタル制にした話、労働集約的なビジネスから脱却するため
に巡回警備を打ち切った話などは、直接業績にかかわるポイントを
論じているため、じつに参考になります。

ほかにも、過去に起きた不祥事や、それを乗り越えるためにどうし
たかなど、経営者にとっては刺激となる話が満載です。

本書を読む限り、氏の経営に対する思想のほとんどは父親から受け
継がれたもののようですが、前半では、この父が遺した教訓の数々
が、惜しげもなく披露されています。

ビジネスで最も大切な資産は「信用」であり、経営者が学ぶべきは、
その信用を守るための考え方。本書にはまさに、この考え方が書か
れているのです。

自己啓発として読むもよし、儲けのヒントとして読むもよし。いず
れにしろ、読み応えのある一冊であることは間違いありません。

これはおすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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新しいことをやらない企業に価値はありません。新しいことにはリ
スクがつきものですが、得られる利益も大きい。そのリスクと利益
の両方を株主と分かち合うからこそ、株式会社は存在するのです

変化を求め、未知のことに挑む。そこから活力が生まれます

昨日まで「鬼畜米英」と言っていた大人たちが、「軍国主義は間違
っていた。これからは民主主義だ」「英米人はわれわれのお手本だ」
と言います。その変わり身の早さに唖然としました(中略)そこで
私が知ったのは、価値観というものは不変ではないこと、時代によ
って変わっていくものであることです

◆飯田氏の父の言葉 ※一部紹介
「間違った商売はそのうちに必ずダメになる。見てなさい」
「浮利を求めるんじゃない。そういう癖がついちゃいけない」
「人の真似をするなよ」

父は権利と義務についてはっきりした考えの持ち主でした。「店の
金はおまえの金なんだ。おまえはもらう権利がある。向こうは払う
義務がある。だから取ってこい。商売ってのは契約なんだ」

経験を通して学んだことは、単純なことです。金のない人は払わな
い。金のある人は払う。それも、先に行った人に払う

◆独立の五条件
1.努力をすれば大きくなる仕事であること
2.誰もやっていない仕事であること
3.人から後ろ指を差されない仕事であること
4.大義名分のある仕事であること
5.前金も取れる仕事であること

「ホテルのセキュリティは目立たなければならない場面と、目立っ
てはいけない場面の両方がある。制服で警備したり、私服で警備し
たりするのはそのためである。大事なことはお客様に不快感を与え
てはいけないことである」(帝国ホテル・犬丸徹三氏の言葉)

安直な方法、楽な方法は、そのときはよくても将来的には決してよ
くない。難しい方法を選び、それを突破すれば本当の力がつく

最高顧問になった頃、よく「これからは財界活動ですか」と聞かれ
ました。「人には向き不向きがあって、私は財界活動には向いてい
ません」と答えたものです。「私はビジネスデザインを考えている
ときが一番楽しい人間だから」とも言いました

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『世界のどこにもない会社を創る!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794216181
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┃▼目次▼
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┃ プロローグ
┃ 第1章 「ため息をつくな、しゃがむな」
┃ 第2章 仕事のことは父から教わった
┃ 第3章 日本ではじめての「警備業」
┃ 第4章 倒産を覚悟する
┃ 第5章 安全システムを「レンタル」する
┃ 第6章 すべては安全のために
┃ 第7章 つねに新たな業を起こす
┃ エピローグ 九十歳まで現役で!
┃ 
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