2007年6月9日

『セブン-イレブンに学ぶ発注力』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876885753

「商売では仕入れが重要」という原則は、小売の世界では広く知られていますが、その割にビジネスパーソン全般が学ぶことは少ない分野です。

ただ実際には、会社は仕入れの失敗で滅びる(在庫)のであり、また小売業に関しては、品揃えが集客力、競争力につながります。

土井が元バイヤーということで思い入れがあるのも事実ですが、仕入れの技術というのは、今後ビジネスパーソン全員が学ぶべき事柄ではないか、と思っています。

ということで、本日は、仕入れに関する本を一冊、紹介します。

タイトルは、その名もズバリ、『セブン-イレブンに学ぶ発注力』。

日本でも最も進んだ発注システムを持っているという、セブン-イレブン・ジャパンのノウハウを、元「商業界」編集局長の緒方知行さんが書いた一冊です。

経営トップである鈴木敏文氏の思想・言葉に触れながら、仕入れに求められる心構えを説明。さらにはセブン-イレブンの仕入れの実際についても、プロの視点から解説がなされています。

現場のプロの視点から見たら、仕入れ業務の実際に関する話は、食い足りない感もありますが、地域密着、個店対応、お客様にとって魅力的な品揃えなど、これからのビジネスにおいて大切な視点がいくつも見つかる、魅力的な一冊です。

仕入れを本職とする方、というよりも、経営者にこそ読んでほしい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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同じ海外買い付けをしても、売り場の人たちが買ってくるもののほ
うが、商品部・バイヤーのそれよりも消化率がはるかに高い

小売業の商品の仕入れや発注は、顧客の購買代理業務である

発注重視の経営こそ、最も高い戦略性を持つものである

「胃袋で食べる時代から、舌で食べ、目で食べ、脳みそで食べる時
代へと変わってきた」(経営コンサルタント・柳田信之氏)

「十人一色の時代から、十人十色、そして一人十色の時代へ」(慶
應義塾大学名誉教授・井関利明氏)

鈴木氏がイトーヨーカ堂の業革で志向していたのは、単なる在庫削
減策などではなかったのである。結果としては、在庫の水準の大幅
ダウンとなったが、あくまでも、狙いはすでにセブン-イレブンに
おいて、かなり以前から実践され、大きな実証的効果を得ていた商
品と品ぞろえの徹底した総点検をはかったものである

なぜこれだけたくさんの死に筋商品、デッドストックで売り場はあ
ふれかえっているのか――それは、誰もがつくりっぱなし、仕入れ
っぱなし、注文しっぱなし、そしてデリバリーしっぱなし、店のほ
うでは置きっぱなしで、それをしっかりと結果のフォローをする者
がいなかったということになる

「死に筋商品が、なぜ生まれるのか」と徹底究明を行なったイトー
ヨーカ堂において、この原因の大きなものが、実は「納品率」の低
さにあることが明らかになった

買い手市場の時代とは、極言すれば、「代替のきかないシビアで鋭
い単品選択の時代」なのである

おでんなどでは全国を六つのブロックに分け、それぞれ地域の好む
ダシによって、味付けを変えている。このような例は、枚挙に暇がない

小売の業態によって商品の売れ方は全く違う
それは買い手の期待が違うからである

地域密着のためにイトーヨーカ堂の新店の店長はオープン一年前か
ら現地に住み着いて地域特性を体現する

「発注は小売業の命であり、意思である」(鈴木敏文氏)

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『セブン-イレブンに学ぶ発注力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876885753
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 1章 時代の潮目は完全に変わった
┃ 2章 個店主義経営の実践と小売り経営革命
┃ 3章 個店の発注の精度が商売の成否を決める
┃ 終章 新・流通革命への途を開く個店ベースの発注革命
┃ 
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