2007年5月25日

『社員をサーフィンに行かせよう』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492521658

本日の一冊は、世界的に有名なアウトドア衣料品メーカー、パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードによる経営論。

パタゴニアは、世界で初めてすべてのコットン製品をオーガニックに変えた会社で、社員はいつでも自由にサーフィンに行くことができるという、ユニークな考え方の企業。

LOHASとはまた別の行き方で、持続可能な経営を模索する著者の、熱い思いが伝わってくる一冊です。

内容的には、パタゴニアのこれまで歩みが半分、経営哲学や心構えが半分、といった配分。

アウトドア商品に関する話がかなり細かく突っ込んで書かれているので、興味のない人にはやや退屈かもしれませんが、やはり神は細部に宿るもの。

パタゴニアが何をやっているかを詳しく知ることで、著者の事業にかける想いや心構え、ノウハウを吸収できる、じつに読み応えのある一冊です。

品質に対する考え方、サービスに対する考え方、流通・マーケティングに対する考え方、お金に対する考え方など、どれをとっても経営の参考になります。

文章も読みやすく、厚さの割に一気に読めてしまいます。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私たちの会社では、本当に社員はいつでもサーフィンに行っていい
のだ。もちろん、勤務時間中でもだ。平日の午前十一時だろうが、
午後二時だろうがかまわない。いい波が来ているのに、サーフィン
に出かけないほうがおかしい

もしサーフィンに行くことで仕事が遅れたら、夜や週末に仕事をし
て、遅れを取り戻せばいい。そんな判断を社員一人一人が自分でで
きるような組織を望んでいる

周囲がお互いの仕事を知っていれば、誰かが病気になったとしても、
あるいは子どもが生まれて三カ月休んだとしても、お互いが助け合える

「何においてであれ『完全』とは、すべてを脱ぎ去り、ありのまま
の姿に戻ったとき、つまり、加えるべきものがなくなったときにで
はなく、取り去るものがなくなったときに達成されるのである」
(フランスの飛行家・アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)

優れた品質とは、耐久性があり、天然資源(原材料、一次エネルギ
ー、輸送など)の利用を最小限に抑え、多機能で飽きがこず、用途
に最適であることから生じる美が備わっていること

危険をともなうスポーツの経験を通じて、もう一つ別の教訓も得て
いた――決して限界を超えないこと。高みを目指して進むとき、崖
の縁にとどまっている間は命がある。だが、それを超えてはならな
い。自分に正直に、自分の能力と限界を知り、自分の器の範囲内で
生きよ。同じことが、ビジネスにも言える

製品はロゴマークと関係なく自らの長所で勝負するのが筋で、ロゴ
マークに「支えられ」てはならない。真価で判断されるべきなのだ

私たちのイメージは、私たちが誰で、何を信じているかを直に反映
している。パタゴニアのイメージの核をなすものは何か。自分たち
は世間にどう見られているのか。まず挙げられるのは、言うまでも
なく、世界一のクライミング道具を作る鍛冶屋が起源であること。
そこで働いていた自由思想の自立したクライマーやサーファーたち
の信条、考え方、価値観が、パタゴニア文化の基礎をなしている

限りある資源に依存し、ほとんどが不必要な商品を絶えず消費して
捨てることで成り立つ世界経済に、明るい未来はない

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『社員をサーフィンに行かせよう』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492521658
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┃▼目次▼
┃ 
┃ 第1章 イントロダクション
┃ 第2章 パタゴニアの歴史
┃ 第3章 パタゴニアの理念
┃ 第4章 地球のための1パーセント同盟
┃ 第5章 百年後も存在する経営
┃ 
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