2007年2月24日

『世界最強CMOのマーケティング実学教室』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502692

本日の一冊は、ユニリーバ、20世紀フォックスなど、世界を代表する消費財メーカーで活躍したCMO、ブラッドフォード・C・カークが、そのマーケティング実務の知恵を公開した注目の一冊。

マーケティングに関して書かれた本は山ほどありますが、その多くは原則やアイデアだけを語ったもの。

本書のように、マーケティング実務の詳細が書かれている本はなかなかお目にかかれるものではありません。

本書には、著者が実務で得た知恵とノウハウ、そして具体的な戦術が書かれています。

マーケティングコストを節約するためにどんなアイデアを採用するべきか、消費者を魅了する広告コピーをいかにして作るのか、どんな広告媒体を買うべきか…。

およそマーケターに求められる視点はすべて網羅しており、まさにCMOのバイブルと呼べる一冊です。

著者の経歴から、事例のほとんどは消費財関連の話ですが、それ以外の商品開発、マーケティングにも役立つ視点が満載です。

現場のマーケターや商品開発部門、広告代理店の方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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リーダーシップ、イノベーション、パッション――頭文字をとって
LIP――こそが、消費財マーケティングの勝者に欠かせない資質

優れたマーケターは、優れた方向性を示す。そうした「方向」には
高い志が込められ、そして現実の上に立脚していることが必要である

ニューコークの大失敗を当然のように利用したペプシも、競争相手
による激変を利用した好例だ。もし、あなたの競争相手がこのよう
な大失敗を目の前でやらかしたら、遠慮することはない。マクドナ
ルドのレイ・クロックが言ったと伝えられるが、「競争相手が溺れ
かけているときは、靴下をそいつののどに突っ込め」

メタファーとその水平思考のパートナー、すなわちアナロジー(類
推)を頻繁に使うことである。最低限でも、自分のブランドとその
周辺に用いられる数多くのメタファーには熟知していてほしい。マ
ーケティングコミュニケーションはとにかく言葉が肝心なのだ

女性用の刺激のない制汗剤の担当になった? だったら、男性諸君、
片方の脇毛を剃ってみたまえ(中略)赤毛の人のことを知りたい?
なら、赤毛になることだ。感情移入したり、理解したり、ある感覚
を知ったりする必要があるのなら、どんなことであれ、実際に体験
してみることだ

メディアの露出がほどほどでも強力な広告作品であれば、急激な売
り上げ増をもたらすという、うれしい事実が確認されている

優れたブランド・コンセプトを見出す難しさは、「ブランドが消費
者に何をしてくれるのか」だけではなく、「あなたのブランドがた
しかにそれをしてくれると消費者が信じるに足る理由」も併せて、
コミュニケートしなければならないことだ

途方もないプレミアムを払わずにターゲティングの精度を上げる方
法は、高視聴率番組への提供を徹底的にはずすことである

消費者は直近に見た広告に最も影響される

いわゆる堅いメディアでさえ、徐々に内容が娯楽化し、そこに価値
が置かれるようになってきている

商品が売れる秘訣は、不動産業と同様に、一に置き場所、二に置き
場所、三に置き場所だ

パワーリテーラーのキーイベントには注意を向けておくこと

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『世界最強CMOのマーケティング実学教室』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502692
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■目次■

まえがき
Lesson1 マーケターに求められる3つの資質
Lesson2 消費者インサイトはこうしてつかめ
Lesson3 人を引きつける広告術をマスターする
Lesson4 視聴率は額面どおりに受け取るな
Lesson5 話題性と娯楽性、そしてタイミング
Lesson6 パワーリテーラーから目を離すな
Lesson7 成功する新製品を生み出す秘訣
Lesson8 数字を味方につけろ
Lesson9 世界を目指すなら、ノンコア事業から撤退せよ
Lesson10 イノベーションこそ、企業の存在理由だ

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