2007年2月6日

『なぜ、金持ち会社は節税しないのか?』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861671450

本日の一冊は、ITベンチャーの創業メンバーおよびCFOを経験後、主に中小企業の資金繰りを指導している税理士が、その豊富な実務経験をもとに、資金繰りと節税について論じた一冊。

わかりやすく書かれた会計入門書がブームとなっている昨今ではありますが、会計を本気で経営に生かそうと思ったら、それなりに突っ込んだ知識は必要不可欠です。

本書は、その点をズバリ指摘しながら、本当に経営に役立つ会計知識を、ムリなく、ムダなく詰め込んでいます。

どうすれば資金繰りが良くなるのか、という考え方に加え、具体的な経営や借入のテクニックまでが示されており、じつに有用です。

節税に関しても、安易な設備投資に走ることの問題を指摘しており、安定経営のための正しい節税法を説いています。

本書によれば、「無借金の金持ち会社の経営者は、会社の利益の6割から7割は、自由になるお金と考え」るそうです。

節税や経営指標の達成以上に、経営には大切な目的があるはず。

本書は、経営者にその目的を思い出させ、本当に強い会社を作る決意を促してくれる、そんな一冊だと思います。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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損益計算書が会社の1年間の行動を表し、キャッシュフロー計算書
がその会社のお金の使い方の癖である習慣を表し、貸借対照表は会
社の行動と習慣の蓄積によって築き上げられた会社の人格を表し、
会社の人格が会社の運命を変える

利益を生まない設備投資は単なる資金の流出に過ぎません

通常は売上高が増えると、在庫や売掛金も増加するため、運転資金
が余分に必要となる

◆安定資金を増やすためにすべきこと
1.損益資金を増やし、
2.運転資金を小さくし、
3.設備投資は将来の損益資金増大につながるものだけ行う

運転資金のための借入を固定することができれば、損益資金を安定
資金として会社に残すことができます。これにより「プチ無借金経
営」を実現することができるのです

◆銀行の格付をアップする4つの方法
1.リースの利用
2.決算書の表示を変更する
3.債務免除益を計上する
4.税効果会計の適用

粗利益を大きくし、さらに資金繰りも良くするためには、粗利益率
が高く在庫を多く持つ必要の無い商品を重点的に売れば良い

◆会社に利益が出ているのにお金が残らない理由
1.運転資金にお金が眠る
2.設備投資にお金を使う
3.借入金を返済する

無借金の金持ち会社の経営者は、会社の利益の6割から7割は、自
由になるお金と考えます

ある公認会計士が、「自社の自己資本比率が低い理由は?」という
テーマで中小企業の社長にアンケートをとったそうです。一番多い
回答は、「節税のために固定資産を買った」というものでした

◆中小企業が大きな借入金を抱える4つのパターン
1.関連企業や取引先の倒産によるもの
2.市場が崩壊してしまったことによるもの
3.多角経営に失敗したことによるもの
4.バブル期のツケによるもの

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『なぜ、金持ち会社は節税しないのか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861671450
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■目次■

はじめに
第1章 温泉資金会計理論で解明する「お金が貯まる」仕組み
第2章 めざせ!プチ無借金経営~借入金との美しいつきあい方
第3章 なぜ、金持ち会社は節税しないのか?~節税の常識のウソ
第4章 中小零細企業・起業家のための経営リスクのヘッジ
おわりに

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