2007年1月26日

『バルタザール・グラシアンの賢人の知恵』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887595166

本日の一冊は、17世紀初頭~中盤に活躍したイエズス会の修道士、バルタザール・グラシアンによる、有名な処世訓。

ヨーロッパで400年もの間語り継がれ、あのニーチェや森鴎外、ショーペンハウエルにも影響を与えたという、幻の自己啓発書です。

本書の優れたところは、単なる自己啓発にとどまらず、人生を勝ち抜くための処世術が書かれているところ。

どんな人間と付き合うべきか、人を信用させるための言動とは何か、人生のリスクや脅威に打ち勝つには人をどう利用すればいいのか…。

一見、やわらかな自己啓発書のようにも見えますが、書かれている内容は、マキャベリの『君主論』にも通じる権謀術数の処世術です。

※参考:『君主論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122040124/

人の上に立ってリーダーとして活躍したい方、賢い生き方を望む方、人との円滑な人間関係を望む方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人は自分が学んだすべての賢人の言葉を語り、その努力を通じて自
らも賢人となる。これが達成できるのは優れた人物だけだ

学のある人と一緒にいるなら、自分自身も博学になろう。信心深い
人と一緒なら、こちらも信心深くなろう。好感を持ってもらう秘訣
は同類であることだ

賢人は相手が誰であれ忠告はありがたく受けとめ、忠告してくれた
相手に対して便宜をはかる。星を見習おう。星はどんなに明るく輝
こうとも、太陽より目立つことは断じてない。立場をわきまえるのだ

相手を信用してこちらの面目を預けてもいいのは、双方にとって危
険度が同じで、共通のリスクがあるときだけだ

うそをついてはいけないが、すべてを明らかにする必要もない。真
実は細心の注意を払って扱わなければならない

望みを持たせながらも、決してすべてをかなえてしまわないこと。
望みがあるうちは、人はあなたを覚えているが、すべてが終わって
しまうと、あなたへの感謝の念ははかなく、すぐに忘れられてしま
うものだ

疑惑の目で見ることは、隠された情報の鍵をこじあける一番の方法だ

自分の望みは秘密にしておこう。そうすれば、それを横取りしたり
阻止したりしようとする相手をくじくことができる

ユーモアは時と場所を選ぶ。それ以外はいつも真面目でいること

理性と観念の世界だけで生きていこうとするのは愚かなことだ。感
情もかけがえのない人生の要素であり、それなしで社会的地位を得
たり、仕事や人づきあいをこなすことはありえない

人間は二十歳で性的欲望にかられ、三十歳で私利に、四十歳で分別
に左右されるものだ

正義に確固とした信念を置いている人は、激しい反対にも、金切り
声で抗議する大衆にも決して屈服しない。理性で自分の立場をしっ
かり守れるからだ

ゆっくりと着実な者が競争に勝つのだ

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『バルタザール・グラシアンの賢人の知恵』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887595166
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■目次■

まえがき
1.人とのかかわりについて
2.駆け引きについて
3.会話について
4.知性について
5.自分自身について
6.才能について
7.成功について
8.人生について

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