2006年10月29日

『考えすぎ人間へ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413021711

本日の一冊は、かつて遠藤周作により出されたエッセイを、新装版
として再発刊した一冊。

人生をラクに生きるための考え方や、人間関係のコツ、マナーやユ
ーモアなど、著者独自の見解が、読ませてくれるエッセイです。

どういった経緯でこのような話になったのかわかりませんが、全体
的にビジネスパーソンを意識した話が多いのが特徴です。

どうしたら出世できるか、どうしたら人に嫉妬されずに済むか、ど
うしたら本物と偽者を見極められるか、人間関係において必要なマ
ナーやユーモアのコツとは何か…。

ビジネスパーソンが興味を持つと思われる、あらゆるトピックが網
羅された、遠藤周作流「処世術」の本です。

恋愛や女性との関係について語った部分は、人によって評価はまち
まちだと思いますが、「ラクに行動する」という本書の目的はかな
えてくれる内容だと思います。

遠藤周作ファンというよりも、どちらかと言えば人生をラクに生き
たい方におすすめの一冊ではないでしょうか。
(遠藤周作ファンはガッカリする部分もあるかと思います)

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■ 本日の赤ペンチェック
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一人の人間の不幸を作りあげていたマイナスの原因も、混ざり合っ
ていくうちにだんだんプラスに変じてくるということもある

人生、大きな海の中にいるようなものなんだから、その大きなもの
に任せるという気持ちが必要なんです

ときには同僚を仕事の面で助けることも必要でしょう。そういうと
き、<できる姿>を見せずに助けるにはどうしたらいいのか。……
「誰にでもできる仕事」ってあるでしょう。誰にでもできることだ
けど仕事の量が多くてシンドイ、そういう量的な仕事を助ければいい

言葉は丁寧にして憎まれることはまずありません

虚礼というのは人と人との潤滑油となるべきもので、人間が長い間
の経験から考え出したものなんだね。たしかにムダなんだが、ムダ
だからこそ礼儀なんです

友情や人間関係を短距離競争ではなく長距離競争にしたければ、互
いのリミットは越えないのが礼儀でしょう

人に好かれるためには、自分の欠点をユーモア化する才能を持つ必
要はあります

青年時代というのは「絵に描いたモチ」を心に持つからこそ青年と
いえるのであって、それがなかったら青年とはいえない

カネの使い方というのは、その人の品性やイメージを決定的にする
ところがある

嫉妬心の根底には、自尊心がある。自尊心を傷つけられると誰でも嫉妬する

これからは生理と観念とを調和させていくのが、生きるための一つ
の進歩だと思う。生理を軽く見ていると間違いを起こしやすい

まずはそこに緊張感があるかどうかということ。これを基準にすれ
ばいいでしょう。ちょうど、いい文章には言葉と言葉の間に緊張感
があるように、いい絵にも色彩と色彩の間にピーンとしたものがあ
るはずです

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『考えすぎ人間へ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413021711
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■目次■

1.アイツにはないがオレにはある
2.なりたい自分に簡単になれる
3.自分の頭においていかれる恐さ
4.女はあなたのそれにくらくらする
5.これであなたはケタ違いになる

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