2006年10月4日

『山見式PR法』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798111252

本日の一冊は、かつて大手企業の広報部長を務め、その後経営コン
サルティング会社で中小企業向けにPRを指導、現在は自らの会社
でクライアント向けにマーケティング、PRの指導を行っている著
者が、その極意をまとめた一冊です。

本書の優れた点は、経営者がもっとも知りたい、メディアへのアプ
ローチ方法を具体的かつ詳細に指南している点。

巷にあるPR関連書では、「とにかくリリースを出せばいい」的な
アプローチが目立ちますが、実際にはPRは人間関係がモノを言う
世界。本書はその現実をふまえつつ、現実的なアドバイスをしています。

内容は、個別取材の依頼がいいのか、プレスリリースがいいのか、
という基本的なお話から、情報の出し方、メディア対応など、じつ
に細かい点まで書かれています。

PRに成功した中小企業の例をもとに、プロが具体的なアドバイス
をしているので、中小企業経営者にとっては重宝する一冊に違いあ
りません。

さらに、実際にどのメディアに対し、どうアプローチすればいいか、
という情報も、メディアの側のナマの声を寄せており、じつに参考
になります。

PRは無料ではない、「情熱費」を投入せよ、というメッセージか
らも、多くを学ぶことができるでしょう。

巻末には、付録として全国主要メディアのリリース配信先も載って
いるので、これ一冊で本当にPRに必要なあらゆる情報を手に入れ
ることができます。

本文が対話形式で進められている点がちょっと不満ですが、内容的
には、これまで読んだPR本のなかでも1、2を争う読み応えです。

本格的にPRにチャレンジしたい、という経営者は、ぜひ読んでみ
てください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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今すぐに、「PRは無料ではない」ことに気づき、経営に尽きるこ
となき「情熱費」の投入を決意する

全国版がねらいであれば、むしろ一般紙の地元支局に相談するのも
一案です。支局発で全国ニュースになるネタは大歓迎ですから

雑誌はストーリー性を重んじるし、テレビは映像になりやすいニュ
ースがほしい

メディアが動くには、情報(ニュースネタ)に、顧客価値か社会的
価値の両方、もしくはいずれかが必要

どのネタも、世界一とか日本一ばかりというわけにはいきません。
そこで、「条件付きキーワード」で考えてみましょう。つまり、も
っと「狭い」「小さい」範囲で考えるのです。「東京で一番」「九
州で初めて」いや、「秋田市最大」でも十分です

「個別の情報提供のほうが余裕をもって取材できるため、扱いがよ
くなります」(読売新聞)

「中小企業からアプローチなさる場合、経済部に電話し、記者に直
接話していただくのが一番です」(西日本新聞)

「プレスリリースは1日に100通以上もくるので、とにかく、何が
新規性なのかと、どの部分が革新的なのかを記述することが大切」
(フジサンケイビジネスアイ)

「取材に行った時にカメラを拒否されることが最も困るので、ダメ
な部分は必ず事前にディレクターと調整願います」(テレビ東京)

「情報は人です。よい情報はよい人についてくることを忘れてはな
りません。何の情報かよりも、誰の情報化かが大切なのです」
(日経ベンチャー)

記者が最もほしいのは「自分だけの情報」つまり「特ダネ」ですか
ら、本来「プレスリリース」を喜ぶ記者はいない

個別取材を増やすには、親派記者が多いほど有利

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『山見式PR法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798111252
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■目次■

序章 PR効果で売上げが10倍以上に!(小売り日本一の蚊帳屋になった菊屋)
第1章 1つの商品を5種類の記事に展開する方法
第2章 メディアにアプローチする前におさえておきたいポイント
第3章 メディアも企業からの情報を待っている
第4章 記者に喜ばれる「プレスリリース」「ご取材用資料」のつくり方とQ&A対策
第5章 企業事例 私はこうしてPRで成功した!
第6章 手軽に始められる、ITを活用したPR法
第7章 上級者コース 慣れてきたあなたのために
第8章 ライバルを凌駕するPR法 今日から行動に移そう!

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