2006年10月2日

『アメーバ経営』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312957

本日の一冊は、京セラの創業者、稲盛和夫さんが、独自の経営管理
手法である「アメーバ経営」の詳細をまとめた、注目の一冊です。

名著『稲盛和夫の実学』の続編にあたる一冊で、内容は、具体的な
数字の管理も含めた、極めて実践的なものとなっています。

※参考:『稲盛和夫の実学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532190061

アメーバ経営の軸となる経営哲学と、部門別採算管理の方法論が詳
しく述べられており、どうやって各部門のリーダーに経営者意識を
持たせるのか、どうやって全社の一体感を持たせるのか、一目瞭然です。

なかでも注目したいのは、部門別の「時間当り採算表」の例が公表
されている点。どんなフォーマットで、どんな項目が盛り込まれて
いるのか、まさにアメーバ経営の根幹となるツールを、そのまま学
ぶことができます。

氏が実践し、成功させたアメーバ経営の試みは、いかにして経営者
が現場の息遣いを感じられる仕組みを作るか、いかにして現場が使
命感を持って動くか、という、経営の理想形にチャレンジしたもの。

そして、どんな仕組みもそうであるように、完璧な仕組みなどは存
在しない。だからこそ、経営者には哲学が求められるのであり、本
書では、その哲学に関しても、著者独特の主張が展開されています。

真剣に「経営管理」を考え始めた経営者に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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規制や制度以前に、企業を動かすリーダーに「人間として何が正し
いか」という哲学、倫理がなければならない

◆アメーバ経営
確固たる経営哲学と精緻な部門別採算管理をベースとした経営手法

各組織を独立採算制で管理するには、損益計算が不可欠になるが、
専門的な決算書では素人にとってわかりにくい。そこで、会計知識
を持たない人でもわかるように、損益計算書に工夫を加え、わかり
やすくした「時間当り採算表」を作成した

◆アメーバ経営の目的
1.市場に直結した部門別採算制度の確立
2.経営者意識を持つ人材の育成
3.全員参加経営の実現

売上を伸ばすには、安易な値上げをするのではなく、後で説明する
「値決めは経営」という原則から、お客様が喜んで買ってくださる
最高の値段を見つけ出すことが重要

◆アメーバを切り分けるポイント
1.明確な収入が存在し、かつ、その収入を得るために要した費用
  を算出できること
2.最小単位の組織であるアメーバが、ビジネスとして完結する単
  位となること
3.会社全体の目的、方針を遂行できるように分割すること

アメーバ経営では自分の組織を守るという思いが人一倍強くなるた
めに、部門間の争いが激しくなり、会社全体の調和が乱れやすい

たとえ十分な経験がなくとも、すばらしい人間性と能力を有し、仕
事に対して熱意を持ち、人間として尊敬され、信頼される人物を適
材適所に配置してこそ、会社は厳しい競争に打ち勝ち、成長するこ
とができる

誰もがやれるような仕事をしていても、「あの会社はひと味違う」
というような経営をすることが、その会社の真の実力

「能力を未来進行形でとらえる」ことができる者が、困難な仕事を
成功へと導くことができる。「何としても夢を実現させよう」と強
く思い、真摯な努力を続けるならば、能力は必ず向上し、道はひらける

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『アメーバ経営』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312957
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■目次■

第1章 ひとりひとりの社員が主役
第2章 経営には哲学が欠かせない
第3章 アメーバの組織づくり
第4章 現場が主役の採算管理
第5章 燃える集団をつくる

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