2006年9月9日

『地ブランド』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4335460260

本日の一冊は、地域のブランド化を狙う博報堂の「地ブランドプロ
ジェクト」のメンバーが書いた、地域ブランド論、およびブランド
構築の方法論です。

現在、地方のブランド化は、かつて盛んに叫ばれた「地方活性化」
とは一線を画した洗練されたものとなっており、明らかに民間企業
のノウハウが入っていると思しき成功事例も数多くあります。

また、メディアも地方ネタをフィーチャーしていることから、今後
ますます地方のブランド化は、注目されるものと思われます。

本書は、地方のブランド化の事例を分析しながら、ブランド構築の
王道を説いた、良質なテキストです。

決して厚い本ではありませんが、それぞれの地域に固有のイメージ
の分析や、成功事例の紹介など、参考になる情報が随所に散りばめ
られており、地ブランドビジネスに携わる方には、必読の内容です。

若干、博報堂の宣伝が過ぎた感があるのと、ボリュームの少なさが
玉に瑕ですが、実務家にとっては、必要最低限のエッセンスが、手
際よくまとめられた良書だと思います。

「ブランドって何?」という経営者にこそ読んで欲しい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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全国各地でそれぞれの地域が独自の魅力を自由に追求し、競い合っ
てわがまちのブランドをアピールしあう世の中へ。地ブランドは、
東京一極集中から地方の時代への転換を推し進め、日本人の元気と
ハッピーを創造するためのキー概念なのです

◆地ブランドを構成する3つの領域
1.場に着目する観光地ブランド
2.モノに着目する特産品ブランド
3.そこに住む人、生活に着目する暮らしブランド

単なるさばと関さばの違い。それが「ブランド」です

「ブランド」は受け手(=お客様)の頭の中でつくられるもので、
送り手の一方的なメッセージだけでは成立しない

受け手(お客)側に期待があること。それに対して、送り手(メー
カー)側が期待を裏切らず、約束を守っていること。そんな、受け
手と送り手の間の信頼関係が長期的に成り立つとき、強い「ブラン
ド」が形成される

数多くのブランド群から頭ひとつ抜け出す強い「ブランド」には、
「オリジナリティ」「ブランド・アイディア」「インターナルの信
頼」「継続性」の4つの特徴がある

他と比較して量的に優れているといった「ナンバーワン性」より、
他とはまったく異なる「オンリーワン性」が重要な価値を持つ

強いブランドが例外なく持つ特徴は、インターナル、すなわち内部
の人間をつよくひきつけ、巻き込む求心力を持っていること

都道府県という地域単位のブランドイメージの調査では、「おいし
さ」「品質のよさ」「新鮮さ」などで、北海道を筆頭に、東北各県
のポイントが高い

文化によるソフトパワーが自国製品を売り込むための最高のマーケ
ティング(東京大学大学院教授 浜野保樹氏)

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『地ブランド』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4335460260
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■目次■

1.なぜ、いま地域にブランドなのか?
2.ブランドとは何か?
3.強いブランドとは?
4.地ブランドのつくり方
5.地ブランド・コアコンセプトのつくり方
6.地ブランドをつくるあなたへ

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