2006年9月12日

『会社をたたみたくなったら読む本』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756904858

昔、ある経営者にこんなことを言われました。

「土井君、世の中は陰と陽で成り立っているんだよ。健康があれば、
その反対には病気がある…」

もともと物事のいい面しか見ない習慣があるのですが、この言葉を
聞いてからというもの、意識して物事の反対部分にも目を向けるよ
うになりました。

本日ご紹介するのは、カネ、女、裏切り、倒産、家庭崩壊…さまざ
まな危機を乗り越え、成功を手にした名物社長、大阪虎屋の塩崎凱
也さんが、自らの半生と、そこから得られた教訓をつづった一冊です。

決して成功談からは得られない、人生の陰の部分が、経験者ならで
はの迫力ある筆致で描かれており、じつに読み応えがあります。

初めての大成功に浮かれ、女にはまるばかりか、勢いあまってクラ
ブ経営にまで乗り出した青年時代、いとこに騙され、4500万円の手
形を詐取されて貧乏生活を余儀なくされた夜逃げ時代、勉強に目覚
め、再起へと乗り出した時代…。

たった二百数十ページのなかに、著者の波乱万丈の人生と、そこか
ら得られた人生訓が見事に詰め込まれています。

これから起業する人、既に経営者として活躍している人に、ぜひ読
んでいただきたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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決して焦ったり、苛立ったりしてはいけません。焦りと苛立ちが思
考と視野を狭め、自分の立場を苦しくしてしまうことが多々あるからです

「人は心の傷を人生で負う。傷口から自分の未熟さが染み込んで、
人生を知る。傷の傷みを他人のせいにしていれば、人生は自分のも
のにならない。まして人生の達人となることは出来ない」(作者不明)

勝つことよりも、絶対に負けない強い心を持て

経営に限らず物事は、失敗を恐れては何もできません。もし運悪く
失敗したり倒れたら、また起き上がればいいのです。ただしこの際
に大切なことがあります。それは「素直な心で人の意見に耳を傾け
ること」「素直に反省すること」「感謝する心を持つ」ということです

商いとは不思議なもので、本業をコツコツ真面目にやっていればご
褒美が頂けるし、脇にそれるととんでもないお叱りをいただくもの

あと一歩というときも「まだまだ山の麓に過ぎない」という気持ち
を忘れてはいけない

小銭の有り難さを知らずして、いきなり大金を手にした私は、使い
道をまちがって数々の失敗をしてしまった

ちょいと商いが軌道に乗ると、図に乗る。接待で使い放題使う。ど
こかにいい女はいないか探す。頼まれごとが断れない。見栄っ張り。
お人よし。何度も同じようなことを繰り返し失敗

新聞のスクラップに飽き足らず、妻が作ってくれたおにぎりとタク
アンの弁当を手に、図書館にも通い、あらゆるジャンルの本に挑戦
もしました(中略)人生に行き詰まりを感じた私に、先人たちの数
々の言葉が一歩踏み出す「勇気の心」を与えてくれた

他人のせいばかりにしないで、自分の非を認める素直さを持たない
と成長などできない

人はこうしたらうまく育つという教科書はありません。人を育てる
には育ってくるのを待つ忍耐が必要ではないでしょうか

活気のない自分のため、会社のために、「投資」と考えて参謀を雇
おうという気持ちになりませんか? ないとしたら、やはりあなた
は経営者には向いてません

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『会社をたたみたくなったら読む本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756904858
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■目次■

第1章 商いとは―七転びで悟った商いの極意
第2章 私はこうして倒産した―青年実業家から借金王、倒産王、ドン底生活
第3章 再起への長い道のり
第4章 商売は「持続」がむつかしい―妻と家族に支えられて
第5章 私がたこ焼き屋になったわけ
第6章 塩崎式経営術
第7章 あなたの会社は大丈夫ですか
感謝 人生をたたみたくなったときに支えてくれた人たち

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