2006年8月31日

『起業家のための「手ガネ経営」で勝ち残る法』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534041144

本日の一冊は、大手会計事務所の出身で、わずか26歳で独立したと
いう著者が、潰れない会社の条件と、金銭的に有利なビジネス、そ
うでないビジネスの類型を示した、画期的な一冊です。

土井も独立当初から感じていたことですが、ビジネスには、最初か
ら有利なものと不利なものが明らかに存在します。

そのことを知っておくだけで、起業や経営のリスクは格段に小さく
なるのですが、これまでそのことをわかりやすく書いた本はあまり
存在しませんでした。

その点、本書は、製造業や小売業、サービス業など、ビジネス形態
による「勝ち残り度」をレーダーチャートで完全チェック。

主な業種の廃業率もきっちり一覧表で載っており、これからビジネ
スを始める人にはじつに有用な一冊です。

これによると、インターネット関連ビジネスは華やかながら、何と
廃業率51.6%、一方で、茶髪のお兄さんがやっている理容業は何と
廃業率たった6.5%です。

起業家のなかには、「どんなに不利なビジネスでも、自分の力での
し上げてみせる」という気概のある方もいらっしゃると思いますが、
ほとんどの場合、物事は確率にしたがうので、知っておいて損はあ
りません。

さらに本書では、不利なビジネスを少しでも有利に運ぶためのアド
バイスがなされているので、既に起業した方にとっても有用な内容です。

どんな会社がどんな利益構造のなかでビジネスをしているのか知っ
ておくことは、経営者のみならず、ビジネスマンにとっても極めて重要。

そういう意味では、ぜひ読んでおくべき一冊だと思います。

———————-
■ 本日の赤ペンチェック
———————-

「潰れない型をキッチリとつくった上で、攻勢に出る」ことこそが、
勝ち残る会社のための絶対条件

在庫と売掛金の多い事業は、売上が伸びてもお金に困るケースが多い

多額の運転資金が必要な会社は潰れやすく、運転資金の少なくてす
む会社は潰れにくい

参入障壁の高い領域にいる会社は潰れにくく、参入障壁の低い領域
にいる会社は潰れやすい

製造業の最大の弱点は在庫による資金滞留

サービス業の強みは在庫の少ないこと。弱点はスケールメリットが
働きにくいこと。リピート率を高める工夫が成否を分けるカギ

同じ分野からの独立のほうが潰れにくく、まったく畑違いの分野へ
の進出は潰れやすい

突き詰めていけば「カネが底をつく」という結果が起きる理由は、
「入金が少ない」「支出が多い」「カネが足りないときに誰も貸し
てくれない」ということ

自らに強いキャラクター付けをすることが専門化の根幹

「お布施型ビジネス」はサービス内容の明細と明瞭な価格設定によ
る「商品化」をすることで、一気に競争優位性を発揮できる

弱者はまずは小さく鋭く切り込んで、あとは既存顧客に関連商材を
販売するしくみをもて!

固定経費増加の多くは人件費の増加がもたらしている

「自分しかいない」と思うと人は働きはじめる

より専門性の高い仕事は「AかつB型」で販売し、価格競争の激しい
業務では仕事を分解し要求されるスキルレベルを下げる「モジュー
ル化」をすることにより他社への競争優位性を発揮することが有効

危機に備えて、業績の良いときから預金と借入金を両建てにしてお
きましょう

————————————————
『起業家のための「手ガネ経営」で勝ち残る法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534041144
————————————————

■目次■

はじめに
第1章 勝ち残る会社と潰れる会社はここが違う
 あなたの会社の「勝ち残り度」をチェックしてみよう
 「潰れやすい業種、潰れにくい業種」を知っておく
 前提条件からわかる「勝ち残る会社、淘汰される会社」
 「典型的な潰れるパターン」を知っておこう!
第2章 小さな会社でもできる「稼ぐ力」の強化法
 本当に販売力が高まる「専門化戦略」の法則
 小さな会社でもできる販売力アップの経営戦術
 会社を継続させる「見込み客獲得」の秘訣
 営業活動で相手に勝つための「銃弾」を用意する
第3章 小さな会社だからできる「支出削減」の発想法
 コストダウンの根元は人材の有効活用にあり
 種芋まで食べてはいけません。でも種芋ばかりでもいけません!
 「非常食=内部留保」の効果的なつくり方
第4章 会社を潰さない「借りる力」のフル活用法
 とにかくキャッシュバランスをアップせよ!
 融資枠の極大化こそが生き残りの命綱!
 小さな会社の銀行との上手なつき合い方
 銀行以外からの有効な資金調達の発想法

━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー