2006年8月7日

『問題解決の実学』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478490503

本日の一冊は、元マッキンゼーのパートナーであり、現在ビジネス
・ブレークスルー大学院大学の教授を務める斎藤顕一さんが、問題
発見・問題解決の有効なプロセスと考え方、そしてその実践につい
て説いた、注目の一冊です。

冒頭で、業績が上がらない組織の問題点をズバリ指摘し、問題解決
のための流れや枠組みを明確に提示。

その後は、手順に従ってどう問題を解決していけばいいか、有効な
アプローチを丁寧に解説しています。

どうすれば、問題点に気づくことができるのか、どうやって気づく
仕組みを構築できるのか、心構えだけにとどまらず、具体的な施策
にまで突っ込んだ議論がなされています。

とくに、「顧客」「競争相手」「自社」の情報をどうやって収集し、
生かすかという点は、マネジメントのみならず、マーケターにとっ
ても重要な示唆を含んでいると言っていいでしょう。

表層的なものの捉え方をしていると、いつか足元をすくわれてしまう。
そうならないためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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◆継続的に業績を向上させる3つの力
1.引き上げる力:事実ベースの分析による戦略的取組みの決定
2.押し上げる力:施策実現に必要なスキルやインフラの構築
3.推進させる力:企業を変革させようとする意識の醸成

数字の羅列もチャート化すれば、棒グラフや折れ線グラフなど、
「形」で表現できます。すると、ひと目で「本来こうあればいいの
にと思っていることと違うことが起こっている」ことに気づく

具体的な実行計画とは、「何をすべきか」だけではなく、実行する
担当者を決め、作業を終了すべき時期を決める。まさに解決施策を
具体化した実行計画書づくりです

◆企業が理解すべき3つのC:「顧客」「競争相手」「自社」

業績が悪い会社の共通点は、情報やデータの作成段階からそれらを
ないがしろにしていること

顧客から学ぶのは、自社商品を売るヒントを得るためではありませ
ん。顧客が何を欲しいと思っているのかを聞いて、そこから自社商
品が顧客に提供できる価値を考えるためです

重要なのは、総じて競争力の変化を知ることです。競争力の低下は
売上の低下を表しており、それは一時的な問題ではなく、有効な手
段を打たなければ継続して低下することを意味しているものなのです

◆成果につながる具体的取組みを考えられない理由
1.従来の事業運営の延長で解決策を考えてしまう
2.競争相手を意識しすぎる
3.対象顧客を決めていない
4.自社の強みを把握していない

戦略的顧客セグメンテーションとは、多くの場合、「顧客の行動を
じっくりと観察する」ことによってしかわからない

企業の不祥事が続くのは、無理な数値目標の達成だけを目指してい
るからです。数打ちゃ当たる時代には、数字で引っ張っていくこと
もできましたが、数を打っても当たらない時代には、売れない理由
を探すことから始めなくてはならない。それは、いまいちど「企業
の使命は何か」という原点に戻って考えてみることでもある

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『問題解決の実学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478490503
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■目次■

序章 本質的問題解決アプローチの全体像
第1章 仮説思考を習得する
第2章 「3つのC」の情報を収集する
第3章 データをチャート化して考える
第4章 フレームワークで問題点を明確にする
第5章 解決の方向性を決める
第6章 解決策を具体化する
第7章 使命と仕事の軸足を決める
第8章 トップの方針を社員の行動に落とし込む
第9章 成果をあげる仕組みと仕掛けをつくる

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