2006年7月20日

『営業「軍事力」を構築せよ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478375186

本日の一冊は、営業を「軍事」に見立て、戦略を持って組織として
営業して行くことの重要性を説いた一冊です。

著者によれば、これまでの営業が行ってきたのは、「軍艦対軍艦の
海戦、すなわち、受注獲得競争に勝つことだけ」。

一方で、これからの営業戦争に勝とうと思ったら、「制海権」を握
る必要があるというのです。

ちなみにその制海権とは、「自社がすべてのシェアを取ることでは
なく『この会社と付き合っておかなくては損だ』と感じる人をなる
べく多く顧客の内部につくり上げていくこと」。

前段で述べられている顧客の選別をした上で、制海権を抑えるには
どうしたらいいか、営業の「戦術」を超えて、戦略の部分が語られ
ています。

こういった内容だと、つい「一匹狼の営業をどう動かすのか」疑問
に思ってしまいますが、その点も十分とは言えないまでもきちんと
カバーされています。

「戦争」というメタファーを持ち出す必要があったのかどうかは定
かではありませんが、著者独自の主張が目を引きます。

自社の営業体制を見直したい経営者、営業マネジャーに、ぜひ読ん
でいただきたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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時代が大きく変わるときは、単に全体の数字が達成できたからOK
というわけではなく、自社が将来とも収益と成長を確保できる方向
に進んでいるかどうかが重要

優良顧客であればあるほど、取引するかどうかの判断基準は、顧客
から見た「存在価値」となります。あなたの会社が存続できるかど
うかは、顧客に対する「存在価値」が「ある」か「ない」か、この
一点に尽きます

◆これからの新しい営業のビジネスモデル
1.覇者となるため、将来とも収益と成長を確保できる顧客・商品
  目標を設定する
2.その目標を達成する仕組みをつくり、行動する
  ――組織としての営業の戦い方をつくる
  ――組織を構成する営業部隊一人一人の士気を高揚する
3.目標を達成するため計画・実行を統御する仕組みをつくり、行
  動修正する

これからは過去の延長線上の考え方・行動ではなく、将来とも収益
をあげ成長していくため「企業の意図」として生存圏顧客をつくり
上げる発想と行動が必要

市場の覇者となるには生存圏顧客の「制海権」を握る行動を展開し
ていく必要があります

◆顧客を訪問したときに果たすべき2つの任務
1.計画を達成する任務
2.顧客の変化をつかむ任務

自社商品が顧客のところでどう使われているかを鮮明にイメージで
きるかどうかが、営業力そのものの強化につながる

◆顧客が会社の「すごさ」を感じるポイント
1.会社(経営者)の基本的考え方
2.商品的特性――ハード商品およびその基盤
3.提案――ソフト商品
4.対応――人的対応商品

◆人間行動の三つの基本原理
1.人間は頭のなかに描かれた絵(イメージ)で行動する
2.人間は期待されることで行動する
3.人間は評価されることで行動する

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『営業「軍事力」を構築せよ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478375186
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■目次■

第1章 もはや今の営業のやり方では勝てない
第2章 覇者となる新しい営業のビジネスモデル
第3章 「営業」から「戦略営業」への変革を実現せよ
第4章 組織としての営業の戦い方をつくれ
第5章 営業部隊一人一人の士気高揚を図れ
第6章 計画・実行の統御
第7章 顧客にどう見られているか
第8章 戦略営業の実現に向けて

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