2006年6月12日

『「壊れ窓理論」の経営学』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334961908

本日の一冊は、もともと犯罪学者が提唱した「壊れ窓理論」を経営
に生かす方法、アイデアをまとめたものです。

壊れ窓理論というのは、壊れた窓を修理しないことによるメッセー
ジが、さらに重大な問題を引き起こす、というもので、著者によれ
ば決してこれは放置してはいけない問題です。

ちなみに著者は、アメリカを代表するメディア専門家で、『ゲリラ
PR―PR奇襲作戦』の著者、マイケル・レヴィン。

※参考:『ゲリラPR―PR奇襲作戦』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884970438

アメリカの大手新聞で大活躍している著者が、いかにして壊れ窓理
論をビジネスにもってくるか、注目したいところです。

本書には、この「壊れ窓」を放置したがゆえに失敗した企業の事例、
あるいは反対にうまくいった事例が適度に織り交ぜられており、じ
つに参考になります。

PR的な視点から見たリスクマネジメントの本としても重宝する一
冊ではないでしょうか。

個々の事例がもっと詳細であれば、なお良かったと思いますが、ビ
ジネスの世界に「壊れ窓理論」を紹介したという点で、意味のある
一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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「壊れ窓理論」ではこう説明する。一枚の割れた窓のようなちょっ
とした綻びが、毎日そこを通りかかる人々に向かって強いシグナル
を発する。壊れたまま修理されなければ、建物の所有者はそれに気
づいていないか、目をつぶっているという意味だ。ということは、
近辺では窃盗や破壊行為や暴行など、もっと深刻な犯罪までも見逃
されているのかもしれない。少なくとも、だれも目を配っていない
のは明らかだ

「壊れ窓」――どこかに異常があり、それが修復されていない状態
――は、さらに重大な問題を引き起こす

いまは大丈夫でも、塗装が褪せて剥がれだしたら、慌てて上塗りし
たところで顧客との信頼関係は修復できない。窓は壊れた瞬間に修
理しなくてはならない

ほんとうの変化を起こすためには、まず一見取るに足りない些細な
綻びに対処しなくてはならなかった

顧客や従業員、世間の人々が、あなたのビジネスをどのように受け
とめているのかを、いまこの瞬間から考えよう。もちろん実際の中
身は大切だが、それがどう映るかに関心を持つのである

あなたが小さなことへの執念を持たなければ、それを持つ別のだれ
かが現れて、顧客を奪い、あなたが常連客から勝ち得てきた忠誠心
を切り崩そうとするだろう

約束をすることと守ることのあいだには、単純な法則がある。A、
B、Cの三つを約束してAとBしか実現しなければ、顧客はがっか
りするだろう。けれどAだけを約束して、AとBとを実現したなら、
顧客は自分たちの期待以上の成果に喜ぶはずだ

最悪の壊れ窓は人間

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『「壊れ窓理論」の経営学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334961908
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■目次■

序文――犯罪学をビジネスに活かす
1.ビジネスの壊れ窓とは何か
2.創業者の理念を思い出せ
3.執念深さと強迫観念を持とう
4.巨大企業を蝕んだ“傲慢”
5.顧客の期待と会社の実際
6.ブランドイメージを壊すもの
7.会社を破滅させる従業員
8.商品に差がない場合の戦略
9.顧客サービスとコスト、どっちをとる?
10.壊れ窓をつくらない企業
11.あなたもググる?
12.ホームページの壊れ窓
13.大衆はあなたの会社の判定者
14.究極の壊れ窓
15.ピアノ生演奏の効果
16.アリの穴から堤も崩れる
17.あなたのビジネスに祝福を
謝辞
訳者あとがき

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