2006年5月26日

『経営コーチ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901221175

本日の一冊は、これから起業する人に向けて、基本的な経営の考え
方から、設立登記、保険、税金、資金繰り、経営分析など、幅広い
知恵を授けてくれる、便利なマニュアル書です。

ちょっと前の起業ブームほどの勢いはないものの、いつかは起業し
たい、という人はまだまだたくさんいます。

本書は、そんな起業家予備軍に、起業するとどんな世界が待ってい
るのか、そこにはどんなリスクがあって、それにどう対処すればい
いのか、懇切丁寧に教えてくれる一冊です。

具体的には、独立後の個人の生活費はどうやりくりすればいいのか、
定款はどうやって作成すればいいのか、資金繰表はどうやって作れ
ばいいのかなどのトピックが取り上げられており、じつに便利。

起業に特化しただけあって、じつに無駄のないつくり。必要最低限
の知識が、見やすくまとめられています。

ただ、残念なのは、定款をはじめとする提出書類に関して、書類サ
ンプルが付されていないこと。

これから起業する人が、これ一冊ではすべてを理解することは不可
能なため、あくまで副読本として読むといいのではないでしょうか。

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■ 本日の赤ペンチェック
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新会社法では、資本金1円での会社設立も認めていますが、実際に
は1円会社が急増するようなことはないだろうと思います。基本的
に会社は、将来にわたっての持続可能性が求められているのです。
もし過少資本のために、会社の存続が危ぶまれる事態になれば、金
融機関の融資審査や取引先との契約において、思わぬデメリットが
生まれる可能性があります

開業後に税務署の調査が行われる場合がありますが、その際に資金
の出所がチェックされます。身内といえども借りたお金に関しては、
きちんと「借用書」をつくり、返済の期間や条件などを記載してお
かなければなりません

◆信用、取引条件
相手先の信用や決済条件を具体的に確認する必要があります。とく
に資金繰りの観点から取引条件は重要です。「入りは早く、払いは
遅く」が資金繰りの鉄則です。また、いくら売り上げが上がっても
請求が遅れたり、回収条件が悪いと資金計画に狂いが生じます。
「回収なくして売り上げなし」を忘れてはいけません

仕入れは事業の基本中の基本です。つい販売をメインに考えがちで
すが、「利は元にあり」なのです。自社の都合で売りたいものを売
るのではなく、お客さまが満足するものを提供する、という「お客
さまの視点」から仕入れ活動を管理することが重要です

◆資金が不足する原因とは?
1.利益の減少
2.売上債権の増加
3.仕入債務の減少
4.在庫の増加
5.その他の流動資産・流動負債の増減

会社を設立して最初に行う決算は非常に重要です。なぜならば、何
を売り上げにし、何を原価にし、何を経費にするかは、最初の決算
の時点で決めたルールが原則として継続されるからです

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『経営コーチ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901221175
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■目次■

プロローグ 経営コーチの時代
第1章 起業準備編
第2章 事業選択編
第3章 手続き編
第4章 経営編
第5章 実務編
経営診断

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