2006年5月13日

『パイロットが空から学んだ危機管理術』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757303750
本日の一冊は、以前にご紹介した『パイロットが空から学んだ一番
大切なこと』の続編です。

※参考:『パイロットが空から学んだ一番大切なこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475730305X

今回のテーマは危機管理。ちょっと地味ではありますが、大勢の命
を預かるパイロットが、どんな意識で仕事に臨んでいるのか、知っ
ておいて損はないと思います。

具体的な内容としては、リスクマネジメントに必要な心構えとルー
ル、そしてそれを裏付けるエピソードが盛り込まれています。

利便性を優先して安全装置を解除した結果、2人が死亡した踏切事
故、高齢の副操縦士を機長に昇格させたために起こった事故と、機
長の自殺…。

悲惨な事故の例と、それが起こった原因を読んでいくうちに、いか
にリスク管理が大切か、強く実感する内容です。

「神はよく準備した者だけを助ける」「善意は時として人を殺す」
「腹をくくれる人が、結局は世の中に役立つ仕事ができる」。

人生訓としても、仕事の心構えとしても役立つ、貴重な一冊です。

———————-
■ 本日の赤ペンチェック
———————-
決定はあくまで論理だけで詰めろ。決定にひとかけらでも感情を持
ち込んだ瞬間、その決定は破綻する

安全が保てるかどうかは、最後は現場の人間が腹をくくって開き直
れるかどうかである

一般的に事故は定常状態ではほとんど起こりません。事故が起こる
のは非定時状態の場合がほとんどです

◆非定時状態の2つの種類
1.機器の故障などで通常のオペレーションができなくなったとき
2.何らかの成果を得ようと、いつもと違う無理なオペレーションを行
う場合

危険の排除は仕組みによるしかありません。人間の注意力だけに頼
ると必ず失敗します

人間は長年の経験から、ないはずの情報をこうだろうと補って行動
しています。ところが重要な部分では「だろう」で行動してはいけませ

何かをしているときに、別のことが割り込んできたら、割り込んで
きたことを待たせるか、割り込みがあったことを覚えておける対策
をとる必要があります

どんな状況になってもあきらめないこと。必ず生きて帰るという信
念こそが重要

何か物事を変化させるときに、2つ以上のパラメーターを同時に変
化させると、結果が予想できないものになってしまう可能性

何か事故が起きたときに、処罰されないという規則や体制を作ることが
重要

ノウハウだけの教育からなぜそれをしなくてはいけないのか、なぜ
それをしてはいけないのかも教えるノウ・ホワイの教育へと変えて
いかなければなりません

仕事を受けないという判断は経営者以外にできない判断

現場に出たらトップが話し過ぎないこと

悪い報告をしなかった部下を罰せよ

————————————————
『パイロットが空から学んだ危機管理術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757303750
————————————————
■目次■

はじめに
プロローグ
I. 現場リスク編
II. 中間管理職編
III.トップマネジメント編
エピローグ
あとがき

━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー