2006年3月28日

『適正在庫のテクニック』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4526056294
本日の一冊は、同じ著者による好著『適正在庫の考え方・求め方』の待望の第三弾です。

※参考:『適正在庫の考え方・求め方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4526051780
本書の中心となっているのは、著者が独自に開発したという在庫理論・APIM(Advanced Proper Inventory Method)。

1.未来在庫を考慮していない
2.リードタイム変動を考慮していない
3.間欠需要に対応していない

という、従来の在庫理論の欠陥を補うことで、適正在庫を実現しようという、意欲的な試みです。

サプライチェーン全体を健全な状態に保つために、どう考え、どう行動すれば良いのか、発注点や安全在庫をどうやって求めれば良いのか。著者の考えや事例も交えながら紹介されています。

生産現場のマネジャーはもちろん、流通・物流、はてはクリエイターまで、知っておくと得する生産効率アップの知恵が満載です。

『ザ・ゴール』を読んだだけで満足できない、意欲的な管理職に、ぜひおすすめしたい一冊です。

※参考:『ザ・ゴール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478420408
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■ 本日の赤ペンチェック
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変動やトラブルから生産システムを防御するために、バッファーとして在庫を持つ(中略)バッファー在庫を持つことで、ある工程で発生した変動やトラブルの影響が直接次の工程に伝播するのを防ぐ

◆負荷を平準化するための方法
1.期間まとめ(一定期間の需要をまとめてプール)
2.山くずし(負荷の凸凹を計画の前倒しによってならす)
2.機種まとめ

サプライチェーンの全体最適は、トータル在庫量で判別できる

在庫を適正化しようと思ったら、1.一品別に適正在庫を求める、2.品目ごとに過剰か過少かを判定する、3.減らすべき品目は在庫を減らす、4.増やすべき品目は在庫を増やす、というステップで、一品目ごとにきめ細かい管理が必要になる

在庫適正化メカニズムのキーは安全在庫

納期遵守率を上げていくと加速度的に在庫削減が進む

生産管理担当者や資材調達担当者は、欠品が起こりそうだという気配を敏感に察知する。あるいは持てる情報網を駆使して異常値情報を集めて、欠品を先回りして予防する活動を行っているし、行うべき

完璧な安全在庫を追求するよりは、現場の臨機応変の対応でなんとかする余裕と能力を持つようにした方がよい

在庫は上流側が負担することが全体最適にかなった取引

◆適正在庫計算のポイント
ステップ1.対象となる在庫を決める
ステップ2.出荷データを集めて分析する
ステップ3.リードタイムを調べる
ステップ4.安全係数を決める
ステップ5.安全在庫を計算する
ステップ6.発注点を計算する

◆生産システム、サプライチェーン全体最適化のアプローチ
1.適正在庫基準による生産管理アプローチ
2.拠点統合による営業・物流アプローチ
3.アイテム削減による設計改善アプローチ
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『適正在庫のテクニック』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4526056294
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■目次■
第1章 在庫ゼロから適正在庫へ
第2章 在庫基準値で管理する
第3章 安全在庫の求め方
第4章 エクセルによる適正在庫の計算手順
第5章 新しい在庫理論APIM
第6章 需要予測と適正在庫
第7章 リードタイムのかぞえかた
第8章 生産形態と在庫管理方式
第9章 適正在庫のマネジメント
第10章 APIM
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