2006年3月21日

『愛されるサービス』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761263172
本日の一冊は、グローバルダイニングの飛躍に貢献し、「グローバルのサービスの確立者」と言われた伝説のサービスマン、新川義弘さんによる、注目の新刊です。

先日、かんき出版さん主催のイベントで、お話を伺う機会がありましたが、リッツ・カールトンの高野さんとはまったく違うキャラクター。

柔和な高野さんと比べると、新川さんはまさに情熱の人。歯に衣着せぬ物言いで、本質をズバズバと突いていく、そんな語り口でした。

本書は、その新川さんが、まさにサービスの要諦とは何か、サービスマンはどのように考え、行動すべきかを明らかにした一冊です。

ブッシュ大統領と小泉首相の会食を成功させた話や、ミック・ジャガーをもてなした話、お客様が10年前に飲んだワインを覚えていた優秀なサービスマンの話など、豊富なエピソードをからめながら、ぐいぐいとサービスの本質に迫っていきます。

また、どうすれば優秀なプロ集団を育てられるか、といったマネジメントの問題にも正面から回答を与えており、参考になります。

サービスに携わる人には心構えの書として、お客様として接する人には、サービスの裏側を知るノンフィクションとして、ぜひ読んで欲しい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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とかくウエイターは、VIPに対しては慇懃に、一般のお客さまに対してはよそよそしく、馴染みのお客さまに対しては馴れ馴れしく接客しがちではないでしょうか。それでは本当のサービスマンとは言えません

グループで来た場合、その中のホストを見極め、まずホストに挨拶し、どのように会食を進めるのかを聞くのは基本中の基本

サービスで大切なのは「先取りする」ことです。お客さまがしてほしいと思っていることを、言われる前にして差し上げること。これが真のサービスです

サービスのリーダーは、「大いなる無駄」を正しく評価してあげなければなりません

◆お客さまに感動を与えるサービスの三要素
1.アンティシペイション(事前予知力)
2.リコグニション(顧客認知力)
3.オペレーション(運営力)

お店を回すのはいいが、お客さまを回してはいけない

このシェフは誰よりもおいしい料理を作れる。私は誰よりもサービスができてお店を盛り上げられる。まず、こうした信頼関係を持つことが大切です。お互いがお互いの技量を認め合わない限り、優れたチームワークなど生まれません

100点と30点のテーブルがあるよりは、まずすべてのテーブルを60点にするべきだ

その場の売り上げよりもお客さまの来店動機を増やす

ウエイターはどうしても、客単価の高いお客さまに目が向きがち(中略)長くお客さまに愛されるレストランを目指すのであれば、そういう若いお客さまにも常連になってもらえるお店にならなければ嘘

スタッフにキャリアアップの目標を持たせるのがリーダーの仕事
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『愛されるサービス』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761263172
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■目次■
1.サービスの基本はフィフティ・フィフティ―
 「下僕のサービス」ではなく「愛おしいサービス」を
2.お客さまに感動を与えるサービスの三要素
  アンティシペイション・リコグニション・オペレーション
3.サービスが行き届く店は何が違うのか?
  テーブル担当制と座席番号制で店が生まれ変わる
4.お客さまがまた店に来たくなるサービスとは?
  リピーターの来店動機を増やすヒント
5.サービスのプロ集団を育てる
  部下との接し方と育て方
6.とっさの時のリスクマネジメント
  ピンチの時こそ本当のサービスが問われる
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