2006年2月24日

『ウェブ進化論』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480062858
本日の一冊は、かつてシリコンバレーで起業し、現在は株式会社はてなの取締役、IT分野の知的リーダーとして人気の著者が、今起こりつつあるネット社会の大変化について論じた一冊です。

「知の世界の秩序」の再編成を目論むグーグルが仕掛けた「知」の流通革命、環境変化により今後の動向が注目されるヤフー、楽天、そしてネット上で進行するオープンソースの動き、話題のブログやSNSなど、ネットに関するありとあらゆる話題と、起こりつつある本質的な変化を、独自の視点で読み解いています。

本書が説いているのは、「情報化」がもたらす本質的変化であり、その内容は、メディアビジネス、コンテンツビジネスはもちろん、既存のビジネスの枠組みをも変えてしまう、そんな危険をはらんでいます。

かつては政府が担っていたインフラの役割を民間が担う。そして人類の英知は特定の民間企業に集中してしまう。

これからのネット社会への不安と、大いなるチャンスを予感させる、そんな刺激的な読み物です。ぜひ読んでみてください。
———————-
■ 本日の赤ペンチェック
———————-
グーグルはこの検索エンジンを手始めに「知の世界の秩序」の再編成を目論んでいる

ネット上の玉石混交問題さえ解決されれば、在野のトップクラスが情報を公開し、レベルの高い参加者がネット上で語り合った結果まとまってくる情報のほうが、権威サイドが用意する専門家(大学教授、新聞記者、評論家など)によって届けられる情報よりも質が高い

テクノロジーがその時々の「旬なプロフェッショナル」をネット上から常時選び出し、彼ら彼女らの知的社会貢献を自動算定し、広告費等を原資に、個々にきめ細かく応分な報酬を自動分配することになろう

◆次の10年への3大潮流
1.インターネット 2.チープ革命 3.オープンソース

◆ネット世界の3大法則
第一法則.神の視点からの世界理解
第二法則.ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
第三法則.Something、あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積

付加価値が順次「あちら側」にシフトしていき、「こちら側」のモノはコモディティになる

一方、誰も関心を持たない内容は、その存在すら知られないまま、ほとんど誰からも読まれずに忘れられていく。読まれなかった情報は価値がない情報だったとみなされる

ネット上の無数の人々の日常行動の結果が、ロングテール部分の「塵」を集めて「山」とする。アンダーソンは、ロングテール部分の本が売れる理由を、こんなストーリーで説明した

◆Web2.0の本質
ネット上の不特定多数の人々を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢

◆総表現社会を実現するために必要なもの
検索エンジン×自動秩序形成システム
————————————————
『ウェブ進化論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480062858
————————————————
■目次■
序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
第1章 「革命」であることの真の意味
第2章 グーグル―知の世界を再編成する
第3章 ロングテールとWeb2.0
第4章 ブログと総表現社会
第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
第6章 ウェブ進化は世代交代によって
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー