2006年1月20日

『45ポイントでわかる図解経営分析』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456966492X
本日の一冊は、決算書の大ベストセラー『決算書がおもしろいほどわかる本』の著者、石島洋一さんによる、経営分析の入門書です。

※参考:『決算書がおもしろいほどわかる本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569573169

経営分析の本というと、計算式と解説だけが載っている味気ない本が少なくないのですが、本書では、各指標の意味や意義、企業の具体例、経営改善の方策までがきちんとカバーされており、投資家にとっても経営者にとっても、非常に役に立ちます。

最低限、どの指標のどこに注目すれば良いかがわかるよう、45のポイントでまとめられており、無駄なく学べるのが特徴。これほどわかりやすい経営分析の本も珍しいと思います。

これまでに経営分析の本を何冊か読んだが理解できなかった、という方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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売上げを計上し、そのことによって利益が発生したとしても、現金があるという保証はない

◆売上高に対する経常利益の割合
一般企業の利益率は2%~5% ※武田薬品(連結)は39.4%

投資のわりに儲かっていない会社は、売上高利益率か資本回転率に問題がある

一般的にいって、売上総利益率を改善するには、1.販売価格の安定(値引き販売の防止)、2.仕入原価の低減(大量発注などによる単価低減)、3.利益率の高い取扱商品への絞り込み、4.商品の破損、紛失などの防止などの方策が考えられます。仕入先タタキだけが原価率低減の方法ではないということは再確認したいものです

株主資本利益率(ROE)は重要だが、これだけで会社は判断できない(中略)実際に、過去の経営不振で株主資本が非常に小さくなっていて、たまたま当期純利益が少しでも発生すると、この株主資本利益率が高く表示されているというケースが多い

◆経営指標の業界平均値を知るための資料
1.日経経営指標 2.中小企業の財務指標(中小企業庁)
3.小企業の経営指標(国民生活金融公庫) 4.TKCの経営指標

◆受取勘定回転率=売上高/受取手形+売掛金
売上代金はしっかり回収されているか
例)日立製作所(連結)3.3回転、キヤノン(連結)5.8回転、花王(連結)9.1回転

短気的な支払能力を示すのが流動比率で、200%以上が理想
※流動比率=流動資産/流動負債

◆EVA(経済付加価値)=税引後営業利益-資本コスト
株主資本のコストを差し引いたところでの企業価値を算定できる

◆キャッシュフロー計算書の3分類(1年間のキャッシュの増減理由)
1.営業活動によるキャッシュフロー
2.投資活動によるキャッシュフロー
3.財務活動によるキャッシュフロー

損益分岐点が低ければ低いほど、収益面で安定度の高い企業
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『45ポイントでわかる図解経営分析』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456966492X
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■目次■
PART1 経営分析の基本
PART2 「儲け」を分析しよう
PART3 「潰れないか」を分析しよう
PART4 新しい企業評価の方法
PART5 経営改善に分析を活かす
PART6 実例を使って分析してみよう
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