2006年1月21日

『損切り・塩漬け無用の最強の株投資』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534040091
本日の一冊は、かつて証券専門紙の証券部長で、現在は経済ジャーナリスト、マネーエコノミストとして活躍中の杉村富生さんが、株式投資の基本的考え方と、その実践法を説いた一冊です。

最近は、オンライントレードが主流となり、「自動売買」などの便利な仕組みも出てきていますが、著者は、こうした手法では、「損切り貧乏」になってしまい、大きな利益をつかみ損なう、と警鐘を鳴らしています。

では一体、投資家はどんな考え方で売買に臨めばいいのか。本書には、まさにその点が書かれています。

銘柄選びのポイントや売買の掟といった具体的な話に加え、古今東西の投資家の名言なども収められており、なかなかに味わい深い一冊です。

深く学びたい方には、若干物足りないかもしれませんが、ファンダメンタル、テクニカル両方の視点がバランスよく配されており、入門書としてはなかなかいいと思います。

これから投資を始めようとする方におすすめの一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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「自動売買」の普及で利益確定や損切りの注文が機械的に設定できるようになった結果、「買っては投げ、買っては投げ」の「損切り貧乏」になっている人も少なくない

勝ち組投資家と負け組投資家の違いはポートフォリオをみれば歴然とわかります。勝ち組のそれは大幅利食いの玉を含む”きれい”な銘柄で構成され、負け組のそれは大やられの玉が放置されてグシャグシャです。その最大の原因は、長期投資と短期売買の区別をキッチリつけて、それぞれのセオリーどおりの投資行動をしているかどうか

そもそも買ってすぐに投げなければいけないような銘柄を買うことが、間違いなのです

◆杉村流「賢い株の買い方」
1.常に、トレンドを読む
2.仕掛けのタイミングを計る
3.好業績株を狙う
4.伸びきっていない銘柄を買う
5.移動平均線が上昇中であり、かつ時価がその上にある銘柄にマトを絞る
6.世相にカネを乗せる

故是川銀蔵先生の口グセは「変化の予兆を見落とすな!」でした。上昇相場の終わりを人より早く察知することで、ショック安に巻き込まれずにすみ、投げ売りによる大きな損失や、それを回避したいがための「塩漬け株」の発生を避けることが可能になります

◆”投資の3性”を確認する
”投資の3性”とは、お金の性格、商品の性格、自分の性格

「塩漬け株」からの救出法を考える前に、「塩漬け株」をつくらないことが、より重要です。そのうえで、「塩漬け株」をなくすためには、年に一度は保有株の”虫干し”をすることです。その結果、”ダメ”と判断した銘柄は、戻り売りか思い切った処分が必要です

◆本多静六の教え
「好景気のときは勤倹貯蓄を、不景気のときには思い切った投資を」

安く買って大きな値上がり益を狙おうというのであれば、目先の業績悪で売り込まれているところを思い切って買う逆張りの手法――リスクを取ることも必要です
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『損切り・塩漬け無用の最強の株投資』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534040091
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■目次■
序章 あなたは「損切り貧乏」になっていませんか?
1章 長期投資と短期売買を使い分けよう
2章 「塩漬け株」をつくらないための長期投資の銘柄選び
3章 「塩漬け株」になった銘柄の救出法
4章 短期売買の銘柄選び
5章 市場のノイズにだまされるな!
6章 買い値を安くする買い方の極意
7章 儲けを大きくする売り方の極意
8章 中・長期的に狙える市場テーマと有望銘柄
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