2005年12月19日

『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244695

本日の一冊は、スイス人投機家たちのクラブから生まれた投機原則、通称「チューリッヒの公理」を日本に紹介した、初めての本です。

世界的に名を知られたスイス人銀行家を父に持ち、自らも13歳で株式市場に参入。見事財を成したという著者が、多くのスイス人投機家を豊かにした、幻の投機原則を詳しく語っています。

公理は、12の重要な公理と16の副公理からなっており、それぞれ詳しい説明が付されています。

歴史上の大投機家たちの話なども随所に挿入されており、なかなか読み応えのある一冊です。

原則だけで引っ張っているので、やや中だるみしますが、投機で必要な、さまざまな心構えや売買の鉄則が書かれています。

きれい事を言わず、あえて「投機」と言い切ったことで、かえって純粋な、勝利の原則が抽出された気がします。

理想だけでは、勝負に勝てない。だからこそ、しっかりとした心根の人に読んでほしい、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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心配から解放されるのは、ある意味では良いことだ。しかし、有能なスイスの投機家なら誰もが、人生のゴールが心配から逃れることなら、貧困から抜け出すことはできないと言うだろう

「もし、心配と貧乏の選択肢があるのなら、いつだって心配するほうを選ぶよ」
(ジェシー・リバモア)

いつも意味のある勝負に出ること
(副公理I)

ウォール街では、「すべての卵は一つの籠に入れろ、そして籠を見守れ」と言うこともある

ひとたび欲望が狂い、それが満たされなければ我慢できないほどになってしまうと、それは強欲である。恐ろしく、憎むべきものである。投機家の敵である

常に早すぎるほど早く利食え
(第二の公理)

船が沈み始めたら祈るな。飛び込め
(第三の公理)

◆第三の公理を実行するための障害
1.後悔の恐怖
2.投資の一部を断念しなければならない、ということ
3.自分が間違っていることを認めることの難しさ

人間の行動は予測できない。誰であれ、未来がわかると言う人を、たとえわずかでも信じてはいけない
(第四の公理)

金融の問題を含め、人間に関することで秩序あるデザインを見い出したと思った瞬間に、あなたは危険にさらされる

慣れ親しんだ、心地よい状態を求めるほど、投機家としての成功は小さいものになってしまう

より魅力的なものが見えたら、ただちに投資を中断しなければならない
(副公理X)

自分が起こってほしいことが起こるという直観に対しては、常に懐疑的であれ

大多数の意見は無視しろ。それはおそらく間違っている
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『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244695
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■目次■
はじめに 公理とは何か、どこからきたのか
第一の公理◆リスクについて
第二の公理◆強欲について
第三の公理◆希望について
第四の公理◆予測について
第五の公理◆パターンについて
第六の公理◆機動力について
第七の公理◆直観について
第八の公理◆宗教とオカルトについて
第九の公理◆楽観と悲観について
第十の公理◆常識について
第十一の公理◆執着について
第十二の公理◆計画について
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