2005年11月8日

『団塊世代を総括する』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4895000796

本日の一冊は、現在ベストセラーとなっている『下流社会』の著者が、かつて「新潟日報」に連載していた内容をまとめて加筆・修正したものです。

もともと、マーケティング情報誌時代、団塊世代研究を中心に行っていた著者だけに、この分野はお手のもの。

当時の意識調査から、ライフスタイルや家族生活を浮彫りにしたり、人気のあった歌手や女優、雑誌などから、団塊世代の価値観を導き出しており、じつに読み応えがあります。

本書の最大の読みどころは、団塊世代の価値観と、これからのビジネスチャンスについて著者なりのヒントを示している点。

とくに、これから定年を迎える団塊世代の動向、今後希望するライフスタイルなどは要注目です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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団塊世代は、その人口の多さゆえに、質的にはさほど変わっていない場合でも、量的には大きな変化をし、社会に印象づける力を持っている世代なのだ

地方から来た若くて「貧しい」「独身」の労働者が、「豊かな」「家庭」を持つ「中流階級」に上昇していくことこそが、高度経済成長を推進する力となった

人口のアンバランスのために団塊世代は友達夫婦になった

団塊世代は恋愛結婚が明らかに多数派になった世代

個性重視、自主性尊重といえば聞こえがいいが、それは親としてどんな生き方がいいかを示せなかったことの裏返し

1950年の団塊世代の地方別人口を見ると、東北、九州などが非常に多い

当時の「パンチ」を読んでいて気が付くのは「党」や「族」という言葉の多さ

第2次ベビーブーム世代がこのように東京など大都市の郊外に集中して生まれ育ったために、その他の地方には必ずしも第2次ベビーブームが起こっていない

第2次ベビーブーム世代が多いのは、千葉、埼玉、神奈川の他、兵庫、奈良、愛知、静岡、宮城、北海道、福岡など

離婚率は団塊世代と新人類世代で大きく上昇

団塊世代が持つ「趣味にあった暮らし」に対する志向性は若いときから現在まで一貫している。言葉を換えれば「マイペース」で「楽しい」暮らしということだ

団塊世代は大家族、3世代同居はあまり好まぬものの、おそらくは子供夫婦が近くに住んでいて、たまには孫と遊ぶという暮らしを理想と考えている

◆団塊世代男性の老後の希望  ※東京ガス都市生活研究所調べ
・趣味を楽しみたい 84.2%
・健康のためにスポーツをしたい 69.9%
・できるだけ外に出る生活をしたい 60.5%
・収入を伴う仕事をしたい 61.9%
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『団塊世代を総括する』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4895000796
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■目次■
プロローグ
第1章 人生に満足できないのはなぜか?
第2章 人生は負けないようにできている
第3章 人生は数式で考えるとうまくいく
第4章 視点をずらして考える
第5章 落とし穴にはまらないコツがある
エピローグ
おわりに
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