2005年11月1日

『「話し方」の心理学』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312442

「人間は感情の生き物である」。それは知っている。

「人間は自分を重要なものと思いたがっている」それも知っている。

でも、それをふまえて、相手に配慮できるかどうかは、まったく別問題です。

本日ご紹介する一冊は、全米で40年にわたり語り継がれてきたという、ビジネスコミュニケーションの古典的名著。

人と会話をする際に、忘れてはならない「感情」の問題にフォーカスし、その扱い方と、具体的な会話テクニックを示した珠玉の一冊です。

一時期、日本でもロジカルシンキングの本が流行りましたが、今はすっかり下火になっています。

それもそのはず。「ロジカル」であるはずの外国人だって、会話では感情に振り回されているからです。

外資系企業では、相変わらず「好き嫌いで人事」が行われており、それはどんなに論理的思考を磨いたって解決する問題ではありません。まさに「人間は感情の生き物」なのです。

本書は、一見、論理的に見える会話にどれほど感情が紛れ込んでいるのかを明らかにし、本当に適切な対処方法とは何か、を考えさせてくれます。

マネジャーや営業マンはもちろん、人とのコミュニケーションが業績に影響する方は、ぜひ読んでみてください。
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■ 本日の赤ペンチェック
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人には意思疎通を阻もうとする性質がそなわっている

聞き手が自分の願望をまじえて人の話を聞くと、話に”怒り”や”よろこび”といったニュアンスがプラスされてしまう。聞き手は勝手に言葉を補足し、話を自分に都合よく解釈する

いま話をしている相手がなにをどれだけ知っているのか、憶測するのは禁物だ。相手にはかならずじゅうぶんな情報を与えなくてはならない

◆会話に乗ってもらうための三つの方法
1.会話の目的を告げてから会話に入る
2.相手の気持ちを尊重する
3.的外れの質問を受け止め、なぜそのような質問が出るのかを考える

会話とは論理と感情のせめぎあいの場であると考えてみる。論理的な話し合いをするためには、相手が会話に感情を持ち込むのを認めることだ。すると相手もこちらの論理に耳をかたむけようという気になる

相手からなにかを聞き出したい場合、最初に相手がこたえやすい質問をする

◆抽象的な質問をするための4つのコツ
1.イエスかノーかではこたえられない質問をする
2.「どう思いますか?」「どうやって?」という問いかけの言葉をつける
3.キーワードを復唱して相手に返す
4.要約して返す

◆感情への対処のしかた
1.感情を表現させる 
2.相手に自分自身の感情を自覚させる
3.批判せず、相手の感情を受容する

◆話を聞いてもらうための考え方
1.ポイントからずれない
2.話は短く
3.相手がすでに知っていることは話さない
4.できるだけ具体的な言葉を使う

人の考えを変えようとするのであれば、上手に質問することだ

◆思考をゆがめないための5つの方法
1.なにを前提に判断しようとしているのかを知る
2.数字になおす
3.白か黒かで分けず、グレーゾーンのなかに位置づける
4.頭から決めてかからず、一つひとつについて柔軟に考え正確に判断する
5.意見を述べるとき、誰かの意見をきいたときには、裏づけをとる

説得とは相手が新しい反応をするように導くことである
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『「話し方」の心理学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312442
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■目次■
第1章 人とわかりあうことのむずかしさ
第2章 会話に乗ってもらうために
第3章 人の考えを引き出す
第4章 人の感情にどうむきあうか
第5章 言葉に託されたメッセージを読む
第6章 思考を伝え、相手からフィードバックをもらう
第7章 話を聞いてもらうために
第8章 頭をはたらかせる
第9章 相手の抵抗にどう対処するか
第10章 発言の意図をつかむ
第11章 会話におけるギブ・アンド・テイク
第12章 複数の聞き手に意志を伝える
第13章 説得の手法
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