2005年10月25日

『五感刺激のブランド戦略』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502609

本日の一冊は、視覚と聴覚に頼った従来型のブランディングを超え、消費者の五感に訴えるアプローチを論じた本です。

著者によると、五感に訴えるアプローチは、広くは知られていないものの、一部の企業では既に実施されているようです。

本書で紹介されているだけでも、自動車メーカーが「新車のニオイ」を内装に染み込ませてから出荷していたり、高級車メーカーがドア音を音響のプロと一緒に研究していたり、コルゲートが練り歯磨きの独特な味の特許を取っていたり、興味深い事例がたくさんあります。

とくに、毎日経験する感情の75%をもたらすという、「嗅覚」に訴えるアプローチは、まだ始まったばかりで、大変興味深く読めると思います。

他の多くの翻訳本同様、事例が豊富なのも魅力。アメリカ企業の最先端の試みを知ることで、新たなヒントが得られるはずです。

マーケター、経営コンサルタント必読の一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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高級車はドアを閉めるときにそれなりの重厚な音がするように音響エンジニアや心理学者が協力して適切な音を開発します

人間の2番目に重要な感覚は嗅覚であり、毎日経験するすべての感情の75%はニオイがもたらしている

◆店内に夏の空気を流す方法
ココナッツのかすかな香りを店内に常に送り続ける機械

人々はインテルのロゴよりもジングルの方をよく覚えている

同じイメージをリサイクル、つまり何度も再生利用したり、あるいは、デザイナーとか写真家を幾度も替えたりする企業が多すぎます。また、同じ企業の異なる部署が異なるコミュニケーション会社を雇うことも多すぎます

ブランド個性が強ければ強いほど、そして、製品寄りではなくより人間寄りであればあるほど、消費者は、言葉、語句、文章からブランドを連想することがより簡単にできる

10代の嗅覚は中年以上の成人のものより200%も強力です。子供は親の購買のなんと80%もに影響を与えるという事実を考えると、嗅覚に訴えるということはますます重要になります

◆センサリーブランディングにおける4つの考え方
1.感情を取り込んだ関係を築く
2.消費者の知覚と製品の現実との調和を最適化する
3.製品拡張のためのブランドプラットフォームを確立する
4.商標登録する

◆感覚訴求における卓越性の基準 ※一部紹介
1.既存の感覚タッチポイントを活用する
3.感覚に対する革新的な考え方を競合他社に先駆けて採用している
4.感覚訴求に一貫性がある
7.感覚タッチポイントすべてにおいて継続的発展がみられる
8.ブランド破壊テストに耐えられる

◆ブランドを宗教的関係性にまで高める方法 ※一部紹介
1.ユニークな帰属意識
2.目的意識をもった明確なビジョン
4.真正さ
5.一貫性
7.感覚訴求
8.儀式
9.シンボル
10.神秘性
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『五感刺激のブランド戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502609
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■目次■
訳者まえがき
フィリップ・コトラーからの序文
日本での出版に寄せて
第1章 ちょっとしたアイデアが地球規模の調査研究に発展した
第2章 正しくやっている企業もある
第3章 ブランドを破壊する
第4章 2-Dから5-Dブランディングへ
第5章 刺激し、向上させ、そして絆を結ぶ:センサリーブランドの構築
第6章 感覚を測定する
第7章 ブランド教:教訓から学ぶ
第8章 ブランディング・ホリスティックな観点
ブランドセンス調査
調査担当者からのコメント
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