2005年10月1日

『ものづくり魂』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763196618/

本日の一冊は、本田宗一郎、井深大、盛田昭夫という、日本を代表する経営者の教訓・エピソードを一冊にまとめたものです。

名著として知られる『わが友 本田宗一郎』と『井深大・盛田昭夫日本人への遺産』に、新たに見つかった、雑誌「ソニーファミリー」掲載の対談原稿、編者の書き下ろしを加え、再編集しています。

内容のほとんどは回顧録であったり、対談であったりして、必ずしもすべてが教訓というわけではないですが、行間から3人の交流の様子や、ものづくりにかける真摯な態度が伝わってきます。

何事にもとらわれることなく、自分たちの進むべき道をまっすぐに生きた3人。本書は、ビジネス書というよりは、ものづくりに命をかけた男たちの息づかいが聞こえるヒューマンドラマです。

本書をきっかけに、ビジネスパーソンとしてどう生きるべきか、深く考えさせられました。

これはおすすめの一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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私も本田さんも、この技術があるから、それを生かして何かしようなどということは、まずしませんでした。最初にあるのは、こういうものをこしらえたい、という目的・目標なのです
(井深大)

目的のためには、どんなにむちゃくちゃに見える手法であろうと、取り入れられるものはなんでも取り入れるのです。その意味で、技術的には専門家でも玄人でもなく、まったくの”素人”なのです
(井深大)

やるからには、他人のおっかけたがりじゃ気がすまんから、アッと言わせるものをこしらえてやるんだ
(本田宗一郎の言葉)

「見たり、聞いたり、試したり」の「試したり」の部分が、最近の若い人には少なくなっているのが、気になってなりません。「見たり」「聞いたり」はよくするのですが、特に最近の教育に欠けているのが、この「試したり」でしょう
(井深大)

怖いのは失敗することではなく、失敗を恐れて何もしないことだ
(本田宗一郎)

自分たちが知っている古いことを、若い人が知らないからといって、バカにしてはいけない。むしろ、古いことにとらわれているほうがおかしい

これからの時代に求められるのは、与えられた仕事をコンピュータのようにきちんとこなす左脳人間ではなく、新しいことを発想できる右脳人間、しかも人柄もりっぱで、人間の幸福をいつも考えている右脳人間である

需要があるからつくるというのはメーカーではない。メーカーはパイオニアである以上は、あくまでも需要をつくり出すものである

捨てることを惜しんでいるようなやつは、いつまでたってもできない

「宗一郎、この世の中で大切なものは、お金でもなければ、地位でもない。他人に迷惑をかけないこと。これが一番大事なことなんだよ」
(本田宗一郎の父)

会社では「ものをつくりたい」という欲求が、最大・最良の「絆」
(『日本人への遺産』より)

”ソウイ”という意味は二つあって、”総意”と”創意”がある。企業というのはクリエイティブのほうの創意でなければならんのですよ。コンセンサスの総意では、進歩もないし改革もできない
(盛田昭夫)

自分で選んで就職して、ここで働くと決めた以上は、自分で自分の一生を幸せにしていく努力をする必要がある
(盛田昭夫)
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『ものづくり魂』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763196618/
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■目次■
I 部 わが友・本田宗一郎
II部 わが相棒・盛田昭夫
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