2005年9月4日

『石橋を叩けば渡れない』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820116541

本日の一冊は、第1次南極越冬隊長として南極に赴き、また技術者としても優れた功績を残した、西堀栄三郎さんによる創造的生き方のお話です。

今や「創意工夫」というのはどんな仕事にも求められる要素ですが、西堀さんの本は、創造的人間になるための心構えや考え方を教えてくれる、貴重なものばかりです。

なかでも、この一冊は、創造性を発揮しながら楽しく仕事をするための考え方や仕事論について書かれており、学生から社会人、人を率いるリーダーまで、広く楽しめる一冊です。

自分の内面の欲求に素直に行きることで、多大な功績を収めた西堀さんの生き方は、好きなことで身を立てたい、という現在の若い人々に、勇気とやる気を吹き込んでくれます。

また、マネジャーにとっては、人間性のマネジメント、つまり部下の個性を尊重し、動機づけ、創造性を発揮させる考え方を学ぶ、いい機会となるでしょう。

最近、どうも仕事が楽しくない、あるいはもっと仕事を楽しみたい、という方に、ぜひおすすめしたい、元気の出る一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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人間というものは経験を積むために生まれてきたのだ(中略)どんなつらいことであっても、それが自分の経験になると思ったら、貪欲にやってみるのです。どんなに人のいやがることでも、この考え方でいけば率先してやれるのです

人間が心の底からムラムラと湧き出てくる何ものかに駆り立てられて動くということは、非常に尊いことであって、これでこそ人間は本当に力が出てくるのだと思います

探し方の秘訣は何かというと、”観察”です。つまり、「変だぞ」と思うことがあったら、それを徹底的に究明することです

石橋を完全に叩いてから、渡るか渡らんか決心しようなんて思っていたら、おそらく永久に石橋は渡らんことになるだろう

現実派、すべて他動的に決められていることが多いのです。だから、その前にやるかやらんかということをいくら調査しても、そんなことは大した意味はないのです

象は象なりに、虎は虎なりに個性を持っている。だから、象は象なりに、虎は虎なりに、やらせたらいい

個性は変えられないが、変えられるものがある。それは何かというと、能力です

仕事の目的というものと、それを達成する手段というものとは、これはきっちり分けておくべきである。そうして目的は絶対であり、隊長はそれを与えるべきものである。しかしその手段は自由である。それをやる人の自由に任せるべきです

暗示というものは、必ず成功の可能性を断定することが必要

能率というのは、「目的を果たしながら、もっとも要領よく手を抜くこと」

育てるとは、失敗の責任を授業料だと思って、引き受けてやること

「そりゃあよい考えだ」の精神が、”大物”の真髄
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『石橋を叩けば渡れない』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820116541
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■目次■
石橋を叩けば渡れない
五分の虫にも一寸の魂(抄)
西堀先生と『石橋を叩けば渡れない』(唐津一)
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