2005年9月10日

『検索エンジン戦争』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475721166X

本日の一冊は、ECジャパンのジェフ・ルートさんと、フリージャーナリストの佐々木俊尚さんが、インターネットの派遣をめぐる検索エンジン各社の動向を追った、渾身のノンフィクションです。

検索エンジンのこれまでの歴史と、数々のプレイヤーたちの物語、そして最近のグーグル、ヤフー、マイクロソフト、アマゾンなどの動向が、軽快な筆致で描かれています。

IT業界に携わる方にとっては懐かしさを覚える一冊、そしてITの動向に疎い方にとっては、これまでの歴史をキャッチアップする、とてもいい機会です。

基本的にはノンフィクションであり、何か教訓を得る、といった類いの本ではないのですが、各社の思惑と現実の取り組みを読んでいると、おぼろげながら今後のインターネット世界の姿が見えてくる気がします。

大変化を遂げるインターネットの世界で、覇権を握るのは誰なのか、その時世界はどう変わるのか、そして自分はどう関わっていくのか。

ITに携わる方には、決して見逃せない一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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検索エンジンはSEOによって磨かれ、発達してきた

人びとのインターネットでの行動は、大まかに言えばポータルサイト経由と検索エンジン経由という二つの流れに分かれていて、どちらかを押さえれば、膨大な数のインターネットユーザーを自社のサイトに呼び込むことができる

オーガニックな検索エンジンとキーワード広告は共存共栄しうるし、そもそもビジネスを否定してしまったらネット業界が存在できなくなっちゃうでしょう? ビジネスとフェアネスってのは、そんな関係だと思う

シンプルで美しく読みやすいページこそが、検索エンジンにとっても選びやすいページとなる

検索エンジンマーケティングにはバブリーな華やかさは全然ないけれど、すごく堅実で成果のはっきりしたビジネスだった。そういう雰囲気が、バブル崩壊後のネット業界にぴたっとはまりこんで、多くの人に受け入れられる理由になった

◆グーグルの基本戦略
1.ポータルサイトへの検索エンジンの提供
2.アドワーズとアドセンスの広告
3.企業内検索サービス

メディアビジネスの方法論と、IT業界が新しいコンテンツを求めている現状――両者の間には、深い断絶がある

IT業界の成長を促す唯一の方法は、情報へのアクセスを拡張させることだ

ウェブ広告がウィンドウズのデスクトップに持ち込まれるという可能性が出てきた

検索エンジンこそが、ウェブの中心地

ナッチの挑戦に、僕らはジョン・レノンとオノ・ヨーコの古いこんな歌を思い出す。懐かしい、あの歌だ。
「パワー・トゥ・ザ・ピープル」(人びとに力を)

※ナッチ:世界初のオープンソースによる検索エンジン
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『検索エンジン戦争』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475721166X
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■目次■
プロローグ――インターネットの支配権をめぐる戦争が始まった
第一章 先史時代の検索エンジン
第二章 検索エンジンと広告の物語
第三章 パックス・グーグル(グーグル王国の平和)
第四章 そして、乱世が幕を開けた
第五章 ますます広がる検索エンジンの役割
最終章 パワー・トゥ・ザ・ピープル
あとがき
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