2005年8月5日

『ブランド・ポートフォリオ戦略』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502412/

本日の一冊は、ブランド論の第一人者、デービッド・A・アーカーさんによる注目の新刊です。

これまでの著作の流れを組む一冊で、今回のテーマは、ブランド・ポートフォリオ戦略。「ブランド間の関係に着目し、事業の収益を最大化する」ことを目的に、ブランド戦略の要諦が手際よくまとめられています。

インテルやディズニー、シティグループ、P&Gなどの例をもとに、ブランド・ポートフォリオ戦略の重要性と具体的な施策について論じています。

詳細なケーススタディを加えたことで、単なるフレームワークを超えた実用性を持っている点が最大の特長でしょう。

複数のブランドを扱い、その関係性を考慮しなければいけない企業、既に持っている強力なブランドの制約に悩まされている企業のマーケターやブランドマネジャーに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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ブランド・ポートフォリオ・マネジメントでカギとなる要因は、すべてのブランドが、貢献を期待されるそれぞれの文脈で、明確な範囲と役割を任されるようにすることだ

あらかじめブランドの役割を明確に決めておけば、ブランド育成の資源を最も生産的な分野に振り向けることができ、将来のブランド資産を築くのに役立つ

急激に変化しつつある市場で関連性を創造・維持するのに最適な戦略を実現するためには、サブブランドや保証付ブランド、共同ブランドを用いるか、新しいブランド・プラットフォームを構築すること

ブランドを追加する際の意思決定は、ポートフォリオ全体の視点を持った人物またはグループが行うべき

基本的な製品市場セグメントに基づいてグループ化されたポートフォリオ・ブランドは、消費者からも比較的理解されやすい

◆効果的なブランド活性化要素
活力を持っている他のブランドを起用し、そのブランド活性化要素を活用し、マスター・ブランドやサブブランドを活性化するのがよい

共同ブランドを検討するにあたって、一方のパートナー・ブランドと共同ブランドが、他方のパートナー・ブランドにどのような影響を及ぼすかを考えることが重要

ブランドを支える実体の部分で、顧客を失望させてはいけない

排他性と価格がそのブランドの知覚品質や自己表現便益のドライバーとなっている場合は、垂直方向へ拡張することは避けなければならない

新しい名前は必ずしも解決策とはなりえない
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『ブランド・ポートフォリオ戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502412/
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■目次■
日本語版への序文
まえがき
第1章 ブランド・ポートフォリオ戦略
第2章 ブランド関係チャート
第3章 ブランド・ポートフォリオ決定のための考察
第4章 ブランド関連性
第5章 ブランドの差別化と活性化
第6章 戦略的資産の利用:ブランド提携
第7章 ブランドの新たな製品市場への活用
第8章 高級品市場と低価格品市場への参入
第9章 コーポレート・ブランドの活用
第10章 ブランド統廃合の意思決定
エピローグ ブランド・ポートフォリオ戦略――20の要点
訳者あとがき
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