2005年6月4日

『イノベーションする経営者は楽しみながら成功する』

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本日の一冊は、何と「ほんなる!」からの出版決定第一号です。

著者の安藤啓資さんは、高校中退後、風俗店舗マネジメントから証券会社、外資系企業、小売通販業、ITスペシャリストまで、じつに33の業種を経験し、起業したという人物で、現在は中小企業向けのコンサルティングとIT支援を生業としているようです。

伸び悩んでいる中小企業にありがちな問題点を、どうやって乗り越えていくかという点に焦点が絞られており、経営者が企業を成長させるのに必要な戦略的思考が説かれています。

戦術・メソッド部分に関しては、最近のインターネットマーケティングにありがちな24時間自動受付などの話が紹介されていますが、本書の一番の価値は、経営者が自らに問うべき質問を明確に示したことと、それによって実績を出した経営者の例が載っていることでしょう。

精神論から突然結論に持って行ったりと、ところどころロジカルではない点も見受けられますが、中小企業経営者にとっては、多くの気づきが得られるはずです。

どんなツールを導入しても、IT化を促進しても、成果が上がらない、という経営者におすすめの一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆継続的な成長を阻む3つの問題点
1.「設計図」がない。継続的に事業を展開するのに不可欠な計画性がない
2.事業を継続的に発展させ、効率よく動かす「システム」がない
3.過去の成功体験に執着し、捨てようとしない

人生に求める価値基準が、モノから「こころ」へと変わってきている。そんな時代にあって求められているのは、商品に付加された「新しいライフスタイル」だ

◆経営者がするべき質問
その商品を購入することによって、
1.顧客はどんな新しい体験ができるのか?
2.顧客の生活は、どう変わるのか?
3.顧客の価値観は、どのような影響を受けるのか?

いかに「共感」を得るかが、事業を成功に導く重要な鍵

いかに価値を付け、いかに価値を伝え、いかにその価値を提供し続けられるかが、これまでとは比較にならないほど大切

◆経営者がホームページの品質を向上させるより優先すべきこと
1.マーケティング・プロセスの設計
2.アフターフォローやサービスの部分にあたる顧客とのコミュニケーションについては、オフラ インでのフロー(流れ、工程) も、心理的なギャップも、含めて考えなければならない
3.可能な部分を自動化する

◆経営者が人を雇う時のポイント
1.あんまり期待しないこと
2.その人がやる仕事を全部書き出しておく

良質のお客を厳選して集めるカギは、毅然さである。その毅然さは、事業体として提供できる価値を事業全体で共有し、それに対して誇りを持つことから生まれる

◆イノベーションすべき3つの集中点
1.事業コンセプト(顧客に提供する価値)
2.マーケティングモデル(顧客との関係の深め方)
3.メッセージング(顧客に伝えるメッセージの内容と方法)

圧倒的なメッセージは、それだけでは諸刃の剣(中略)「必ずお客との約束を履行する」という覚悟が必要

ビジネスに関してパラダイムシフトを起こすには、ビジネスについて考えないことが一番だ

世の中に身をもって関わっていくだけで、パラダイムシフトは習慣化できる。そして、それは起業家である経営者には欠かせない重要な能力だ
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『イノベーションする経営者は楽しみながら成功する』
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■目次■
はじめに モテ経営者になる
第1章 小さな会社が有利な時代
第2章 8つの「ウソ」をゴミ箱へ
第3章 成長しなくちゃ、会社じゃない!
第4章 イノベーションのヒケツ
第5章 あなたが変身するヒント
おわりに 生きることは、変わること
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