2005年5月10日

『パワー・セールスの技術』

http://tinyurl.com/czdt8

本日の一冊は、コンピュータ業界を中心に活躍した伝説の営業マンで、現在、アメリカでもっとも有名なセールス・トレーナーとして活躍中のアンソニー・パリネロさんによる法人営業の極意です。

サブタイトルに「商談を2回で決める戦略シナリオ」とあるように、その内容はじつに戦略的です。

情報収集のポイント、キーパーソンを押さえる際の考え方、そして細かな営業テクニックまでが、実例をもとに紹介されています。

著者が言うには、営業では、推薦者や影響者、決定者、承認者といった4種類のキーパーソンを押さえ、各営業プロセスにおいて活用していくことが重要です。

本書では、そのキーパーソンたちの見極め方や、彼らとどう関わっていけばよいかといった点が詳しく説かれています。著者の失敗例を読みながら、真のキーパーソンを探し出すための考え方が学べる点が、本書の最大の特長かもしれません。

著者によると、キーパーソンは複数おり、しかも一人が複数の役割を兼ねていたりもします。では、どうやってこれらのさまざまなアクターを管理すればよいのでしょか。著者は、これに対し、独自の「TIPシート」と呼ばれるメモの活用をすすめています。

これをベースにキーパーソンを管理し、キーパーソンたちが
1.嬉しいと感じること
2.すべきこととしてはならないこと
3.投げかけるべき質問
のリストを考慮すれば、商談が円滑に進められるでしょう。

さらに本書では、顧客と接触するさまざまな場面でのやり取りの方法を、具体的な会話例を交えながら説明しています。なかには、通常の営業本で語りつくされているような内容もありますが、ポイントを明確に押さえた議論で、好感が持てます。

法人営業のプロに読んで欲しい、実践的な一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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相手企業の誰が何の権限を握っているのかを知らずして、成功はおぼつかない

2回目以降の交渉では、キーパーソンを正しくとらえられるかどうかですべてが決まる

最も重要な要素は、舞台に上がった人物の「影響力」「決定権」「承認力」である。この3つの力を持つキーパーソンに照準を合わせれば話は早く、2回目のチャンスは増え、営業という仕事が楽しくなり、儲けも増える

生涯価値は、相手企業に対して横断的に働きかける営業担当者の力量に正比例している。さまざまな部署に広く働きかけていこうという気持ち、真のニーズを理解し、しっかりと把握しようとする気持ち、1回限りでない長いお付き合いを志し、ますますひいきにしてもらえるよう努力しようという気持ちだ

◆営業プロセスの4ステップ
1.感触を探る→推薦者
2.情報交換を開始する→影響者
3.味方につける→決定者
4.説得する→承認者と決定者

◆5つの大罪
1.独善的なおしゃべり→話のポイントを定める
2.不適切な言葉遣い→相手にわかりやすい表現の仕方を把握する
3.独演会→時間制限を設けて、必ず守る
4.誇張→約束の内容を吟味する
5.領域侵犯→断りを入れてから、段階的に接近する

◆10の原則 ※一部抜粋
1.地位の低い人物を最初に働きかける相手に選んではならない
2.他人に営業活動を任せてはいけない
3.商品知識を見込み客に教えすぎてはならない
7.異論反論を無視したり、中途半端に答えたりしてはならない
8.切迫感をつくり出せ
10.最初のアポを取るときは、トップと会う約束を取り付けよ
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『パワー・セールスの技術』
http://tinyurl.com/czdt8
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■目次■
1.現状を見つめる
2.キーパーソンは誰か
3.4つの役回り
4.横断的な働きかけ
5.営業プロセスの4ステップ
6.営業プロセスの基本
7.2回目のアポを有効にするために
8.5つの大罪
9.最初の一手が成否を決する
10.10の原則
11.勝率を上げる3つのカギ
12.話題の選び方
13.顔合わせのポイント
14.自信を持ってアピールする
15.引き際のポイント
16.ニーズはあるか
17.手紙とeメールのコツ
18.電話のコツ
19.最初のアポを取る
20.効果的な宿題のコツ
21.10のパワー・ステップ
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