2005年5月28日

『「質の経済」が始まった』

http://tinyurl.com/atyxg

本日の一冊は、未来予測で知られる、現・東京財団会長の日下公人さんが、これからの日本が進むべき方向性を示した注目の一冊です。

日本の政治・経済のあり方から、終身雇用・成果主義の問題、情報化時代に求められる「智」の問題まで、じつにさまざまな問題を、日下さんらしい軽快な調子で論じています。

ちょっと日本礼賛の傾向が強い気がしますが、欧米式の考え方に翻弄されて疲弊している現在の日本人にとっては、新鮮な視点を得られるに違いありません。

タイトルからは、もうちょっとビジネス的なお話も期待していたのですが、実際に書かれていたのは、テレビなどでも情報が出回っていた紅葉ビジネスの話などで、ちょっと目新しさに欠けるのが残念でした。著者が冒頭で述べていた「新しい美の創造を競う時代」の萌芽と思われるエピソードや事例がもっと盛り込まれていれば、もっといい本になったと思います。

現在の日本の問題点や、今後進むべき道を示してくれているという点では、一読の価値がある本です。

————————
■ 本日の赤ペンチェック
————————
アダム・スミスは”すべての生産と貯蓄は、結局は消費のためだ”と言っているが、日本では生産・拡充の一点張りが身につきすぎて、消費の満足や魅力について考えるのが遅れた

性能競争や価格競争より、新しい美の創造を競う時代への転換が始まっている

「日本経済は悪い」と言うが、しかし今でも年間五〇〇兆円もの巨大なGDPが横這いで落ちていない。世界で第二番目のGDPが、途方もないムダを国内に抱えながら横這いのままであるとは、ムダさえやめれば、たちまち回復するということ

◆政治家と役人の悪知恵を看破する4つの方法
1.動機で見る
2.結果で見る
3.関係者で見る
4.理論づけのインチキを見る

これから日本は風流産業で景気が直る

結論から言えば、日本型終身雇用が復活する

差と平等はどちらも意味があるのであって、交代することに意味がある

日本は資本主義ではない、人本主義である

キーワードは「生え抜き」の再評価

言いたいことは、その業務が終身雇用に適した仕事か、それとも成果主義に適した仕事か、それをきちんと見抜きなさいということ

「知」はナレッジ、あるいはインフォメーション。だから、これはもう死んだスルメみたいなものである。インターネットからたくさん出てくる。「智」のほうは、ウィズダムとかアイデアとか、ひらめきとか、クリエイティブな活動の産物である。これが希少資源でこれがある人は儲かる。「衆智を結集して」という言い方があるが、才智ある人間を集めて、それで何かをするのが会社である

———————————
『「質の経済」が始まった』
http://tinyurl.com/atyxg
———————————
■目次■
I 転職したいヤツに欲しい人材はいない
II お金、やりがい、自己実現……
III 会社に残って磨くべき「スキル」
IV それでも踏み出すあなたへ
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー