2005年4月30日

『常識の壁をこえて』

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本日の一冊は、かつて『ビジネス版悪魔の法則 ポジティブ思考のウソを斬る』の名で邦訳され、高い評価を受けていた、『No Rules』を復刊したものです。

「なにをモチベーションの材料にするかについて、他人にとやかく言われる筋合いはない。その人によってそれが有効なら、それでいい」と書いてあることからもわかる通り、ここで書かれているのは、極論ながら、読者のモチベーションを著しく刺激してくれる言葉ばかり。

学歴のない人には、「一般に、大学教育は、他人の下で働く、つまり他人に依存して生きるための準備にしかならない」と言って、やる気を鼓舞したり、また、目立ちたがり屋には「なにかを成し遂げようとすれば、はじめから強い反感を買うことを覚悟しなくてはならない」といってなぐさめたりします。

また、人から高い報酬をもらうことに抵抗感を感じている人には、「素人が同じ知識を獲得するのにどれだけのコストがかかるかわかっていないのだ」と正当化の理由を与えたりもしています。

著者の専門であるマーケティングに関しては、時代に追いつかれてしまったのか、あるいは後進が著者のマネをしたのか、意外にもオーソドックスな話が多く、あまり得るところがないですが、事例として登場するビジネスパーソンのエピソードは楽しく読めます。

ドナルド・トランプの傲慢さ、アイアコッカから感じる威圧的な雰囲気など、あまり語られることのない成功者のもう一つの顔がありのままに描かれている点も、本書の魅力でしょう。

自分を本気でモチベートしたい方におすすめの一冊です。
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■ 本日のワンポイント赤ペンチェック
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◆監修者の言葉から

人間は失敗するのが怖いのと同時に、コンフォートゾーンを超えて成功することも恐れているのです

他人を怒らせる覚悟がないと人を動かすことはできない

◆著者の言葉から

正直に白状する人はほとんどいないが、大きな成功を収めた人のなかにも、決して褒められたものではない「ネガティブ」な悪の感情を原動力にした人が少なくない

ビジネスの世界で「謙譲の美徳」を実践していては、とうてい顧客や消費者の注意を引くことなどできない

ビジネスの世界では、自分のアイデアや情報や利益を守るために、そして自分の知識と専門技能に対して少しでも高い料金を得るために最大限の努力をしなければならない

最も有能で高給取りの広告マンは、実にきちんとした人たちで、膨大なデータを集めて検討し、じっくり考えて結論を導き出していた

途中でやめた人間だと言われることを恐れてはいけない

お客さまがいつも正しいとは限らない
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『常識の壁をこえて』
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■目次■
成功したけりゃルールを破れ! ――はじめに
第1章「ポジティブ思考」のウソ 
第2章「生まれつきの素質がないと」のウソ
第3章「大学くらい出ていないと」のウソ
第4章「謙譲は最大の美徳」のウソ
第5章「礼儀正しくあれ」のウソ
第6章「クリエーティブであるべし」のウソ
第7章「継続は力なり」のウソ
第8章「運なんて関係ない」のウソ
第9章「急いては事をし損じる」のウソ
第10章「仕事と遊びははっきりわけろ」のウソ
第11章「ハイテク万能主義」のウソ
第12章「お客様は神様です」のウソ
第13章「リッチになるには時間がかかる」のウソ
第14章「元手がないと話にならない」のウソ
第15章「商品が良ければ売れる」のウソ
第16章「マーケティングの常識」のウソ
第17章「マネジメントの常識」のウソ
第18章「無用の変革は禁物」のウソ
第19章 常識破りの成功者たち
おわりに
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