2005年4月8日

『ビジネスを育てる』

http://tinyurl.com/4zoxy

本日の一冊は、世界で合計200万部売れたという超ロングセラー、
『Growing a Business』の邦訳です。

※参考:『Growing a Business』
http://tinyurl.com/5tgaj

著者は20代の頃に、ボストンで最初の自然食品店を開いた起業家で、現在はジャーナリスト、作家としても活躍中のポール・ホーケン。

翻訳を担当したのは、『パーミションマーケティング』の訳者としても知られる阪本啓一さん。自らも起業家として活躍中とあって、本書の訳も、起業家らしい躍動感にあふれています。

起業家の心にしみるメッセージやアドバイスがいたるところに散りばめられていますが、そのうちいくつかをご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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人は自分の大志を、ビジネスの世界でも思いっきり表現することが可能である

成功とは攻撃的になったり、一日十八時間働いたりすることを指すのではありません。また、お金に対する強欲さや欲望でもない。あくまで自分自身の内なる声と、自分を取り巻く世界に耳を澄ますことを指します

ただ単に他人の気まぐれや要望を満たすためだけにビジネスをやるのであれば、それは奴隷にすぎず、自分を生きていることにはならない

起業家精神とは、行動するより前に、見ることである。「見る」、「行動する」、そして最後にやっと「ビジネスする」が来る。あくまでビジネスは最後であり、行動、さらには見ることを優先するべき

ビジネスアイデアなるものは、耳にタコができるほどあちこちで聞く。その多くは素晴らしいアイデアだ。ただ問題は、そのアイデアの持ち主が「どこから始めればいいのかわかっていない」ことである

お金ですべてが解決するのであれば、スモールビジネスの出番などないことになる。資金が豊富にある大企業がすべてをやればいいのだから。起業家がかかわる以上、スモールビジネスは、お金で解決できないたぐいの問題に取り組むからこそこの世に生まれた

良いビジネスは面白い問題をはらんでいる。悪いビジネスの問題はつまらまい。良い経営とは「技」である。問題を面白いものにし、解決に取り組むことで社員の仕事がいきいきし、建設的になる

スモールビジネスはみなホンダのような可能性を秘めている。なぜなら、大企業、政府、労働組合、学校などという、いわゆる大組織には、「商品を情報化する」という発想がないからだ

ビジネスが大きくなっていくに従い、早晩あなたはキャッシュが必要となる。業務オペレーションを控え目に、自腹主義でいっていたとしても。必要になる前に手を打とう

商売のセンスの肝は、自分の周囲で起こる出来事と距離を保ち、現実的な方法で見ることができる能力である

人は生来、人間としてのたしなみというものを持っているはずだ。そしてそのたしなみは、ビジネスを始め、行なう時にも、維持し続けるべきものなのである
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起業してちょうど半年の土井にとっては、まさにうってつけの本。独立・起業をあおる啓発書やスレた実務書の中間にあって、じつにいいバランスを保っています。事例が豊富で、起業することの楽しさも厳しさも等しく教えてくれる、有用な一冊だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『ビジネスを育てる』
http://tinyurl.com/4zoxy

です。これから起業したい人、起業して間もない人、初心を忘れかけている人は、ぜひ読んでみてください。

■目次■
日本の読者の皆様へ
第一章 あなたらしさを実現するために
第二章 成功のヒント、成功のワナ
第三章 小さくても大丈夫!
第四章 グッドアイデアだと思ったら時すでに遅し
第五章 成長の秘訣
第六章 お金
第七章 商売のセンス
第八章 まず、顧客に「パーミション」をもらうことから始めよう
第九章 顧客の視点から学ぶ
第十章 良い仲間で良い会社を作ろう
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