2005年3月1日

『「儲け」の法則』

http://tinyurl.com/6ytfw

本日の一冊は、ものづくりの世界を知り尽くした人物、唐津一さんによる、注目の一冊です。

モノ余りの時代にあって、とかくマーケティングばかりが注目される昨今ですが、流通だけでなく、ものづくりの段階においても、差別化し、高付加価値を実現することは可能です。

では、高付加価値を生むためにどのような心構え、考え方でものづくりに臨めばいいのか。その点を、企業の実例を紹介しながら説いたのが、本書です。

では、具体的にどんな教えが説かれているのか。さっそく見てみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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オンリーワンだからライバルとの価格競争にさらされることがなく、その分野での市場をひとり占めできる。限度はあるだろうが、価格も勝手に決められる。

儲けを得るためには、何よりもこの「売れる仕組み」を作る必要がある。そのためには、オンリーワンの技術、製品、サービスを築き上げ、そのことが世の中に知れ渡る必要がある。それが本当に有用で重要なものなら、みずから告知することなく勝手にマスコミが世間に宣伝してくれるはずだ。

人の感情は公式通りにはいかない。したがって、推論するのではなく、ひたすら調べることが大切になる

「あたり前」と思ってやってきたことすべてを調査して、改めてその有益性を確認してみればよい(中略)おそらく「なくてもよいもの」が次々と見つかり、年間で何億円も経費の節約ができるようになるだろう。

販売の第一歩は、自分の先入観をいっさいなくして、白紙の状態でお客を観察すること

ものごとの本質を考え抜いてつきつめると、それまで見えなかった方法論が見えてくる。手直しではなく、白紙から考えることで可能になる。

ものごとはやりながら改善していく方法でしかうまくやれないものである。そのためにはスタッフの一人ひとりが目標を理解し、プロセスを知っていなければならない。

「儲け」すなわち付加価値を維持するためには、いいスタッフが欠かせない

切り捨て経営は、瞬間風速としての黒字を残す。しかし切り捨てられた技術は二度と復活できない。経営者がボーナスとみずからの名声を得るのと引き替えに失うものは、あまりにも大きい

トップの条件のひとつに、スタッフと夢や目標を共有できることがある。ただし、その夢は掲げるだけでは駄目である。うまくいかなかったときの責任を一身に引き受け、うまくいったときの賞賛を分かち合う姿勢がなければ人はついてこない。
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マーケティングに関する部分は、やはり製造側の方だけあって、やや物足りないのですが、ものづくりの心構えに関する部分は、さすがに説得力があります。

というわけで、本日の一冊は、

『「儲け」の法則』
http://tinyurl.com/6ytfw

です。ものづくりに携わる方にはおすすめの一冊です。

■目次■
序章 本当の「儲け」を生み出す経営者たち
第1章 「儲け」とは付加価値のことである
第2章 付加価値は「販売力」がなければ生まれない
第3章 オンリーワンの付加価値とは
第4章 オンリーワンには仕掛けが必要
第5章 ライバルとは競合他社のことではない
第6章 「儲け」には長期的視野が欠かせない
第7章 次世代の「儲け」を生み出すもの
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