2004年12月25日

『経営者、15歳に仕事を教える』

http://tinyurl.com/6v3yo

本日の一冊は、日本IBMの会長、北城恪太郎さんが、中学生の目線で経営の何たるかを説いた、ユニークな一冊です。

北城さんの新人時代の経験から、取締役になって仕事をするまでの一連の流れと、そこで得られた教訓が、平易な言葉で語られています。

タイトルには「15歳に仕事を教える」とありますが、社会人へのエールとも取れる教訓が、いたるところに散りばめられています。

具体的にどんな教訓・エピソードが盛り込まれているのか。さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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つくるだけのアマチュアと、止まったときのことも考えるプロ。「つくることによる満足」と「つくることの責任」の違いを感じること、それがすなわち「仕事」を知ることなのです

いい加減に返答してしまって、相手が迷惑をこうむるというのは、仕事をするうえでやってしまいがちなミスです。わからなくても、その後の対応さえしっかりしていれば、お客様は不満をもちません。「わからない」といえる勇気をもつことが重要

一芸に秀で、ものごとの道理を知って、つぎの仕事につなげていく。これが仕事に自信をもつ一番の近道

お客様にとっては製品が新しいかどうかは二の次。そんなことより、それが自分たちにとってどう役に立つのか、どんなことをしてくれるのか、という話が聞きたいのです

組織が成果や業績を上げても、人材が育っていないのでは、管理職として充分に仕事をしているとはいえません

結局、お客様に理解していただくには、会社のためではなく、お客様のために役に立ちたいと思う、一種の使命感が必要なのかもしれません

会社が利益を上げていく上で大切なのは、お客様に満足していただくこと。それを邪魔するような規則や習慣は、本来、排除していかなければならないものです

経営者は、ものごとを、ひとつの側面からだけでなく、いろいろな角度から見なくてはなりません。何かを実行したら、必ずそれにともなう反作用があります。業績が上がっても、社員の意欲や働く職場環境に悪影響が出たりもします

嫌なことを決めるからこそトップであり、いいことだけを決めるならトップでなくてもいいのです

経営者が業績目標を立てる際には、客観的な根拠のある数字にこだわるよりも、少し大きめの数字を出し、できるだけ制約をなくして、社員に挑戦させることが重要

悪い話があがってきても怒らない、これが肝心(中略)怒らないことによって、現場の実態を知り、結果的に正しい経営判断ができる

次の世代の価値観や方法論で会社の進路を変えていく、その連続によって会社は伸びていくもの

状況が変われば過去に決めたことでもすぐに変えられる柔軟性をもっている会社は競争力があります。トップが朝令暮改、軌道修正をしたとき、すぐにそれを受け入れて行動できるような企業文化をもった会社こそが本当に強いのです
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平易な言葉ながら、社会人として、そして経営者として大切な教訓や心構えを、見事に表現しています。

というわけで、本日の一冊は、

『経営者、15歳に仕事を教える』
http://tinyurl.com/6v3yo

です。200ページとちょっとの読みやすい本です。いま一度自分を引き締めるために、読んでおきたい一冊です。

■目次■
はじめに
第1章 仕事とはどういうことなのか
第2章 経営とは何をすることなのか
第3章 これからの会社はどうあるべきか
第4章 これからの教育はどうあるべきか
第5章 これからの君たちはどう生きるべきか
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