【おすすめ。】
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本日ご紹介する一冊は、P&G、ロート製薬で数多くのブランドを担当し、ロクシタンジャポンの代表取締役として過去最高利益達成に貢献、スマートニュースでも日本、米国のマーケティング担当執行役員として活躍した西口一希さんが、マーケティング実践の指針となる考え方を示した一冊。
マーケティングは、大学で理論として学べるものですが、実際に使おうと思ったら、どうしても理論だけでは足りない部分が出てきます。
どうすれば、数多くある流行りのマーケティング用語に惑わされず、本当に大切な活動に専念できるのか。マーケティングにおいて外してはいけない軸や考え方は何なのか。
実務家が、事例を交えながら丁寧に解説してくれる、初心者にもおすすめの内容です。
リサーチや分析の実際についてはあまり言及がありませんが、どうすれば顧客との対話からヒントが得られるのか、お客様にとっての価値は何なのか、どうやって価値を創出し、伝えるのか、マーケティングにおいて一番大切な部分が書かれています。
自社をブランドにしたい、手っ取り早くSNSで人を集めたい、という人は多いと思いますが、それでは一番大切な顧客価値の創出が、置き去りになってしまう。
マーケティングの本でありながら、実際には経営者が読むべき、経営の基本を説いた本と言えるでしょう。
最近、元キーエンスの著者が書いた、『付加価値のつくりかた』という本がベストセラーになっていますが、AIが進歩を続ける今、ビジネスパーソンにとって一番大切なのは、この「価値を作ること」ではないかと思います。
※参考:『付加価値のつくりかた』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761276363
価値を作るとは、すなわちそれを感じ、必要とする人間と向き合うこと。
本書は、ビジネスパーソンとして正しい、顧客との向き合い方を教えてくれる本です。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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そもそも「誰に向けて商売をするのか」という前提があったうえで、4つの「P」に集中するとわかりやすい
マーケティングとは「お客さま」と「価値」について考えること
まず、お客さまは誰なのか(WHO)、そのお客さまがプロダクト(WHAT)に、どんな「価値」を見いだしてくれているのかをひも解くことがマーケティングの基本
人は「便益」と「独自性」に価値を感じる
便益と独自性を「自分ごと化」できたとき、お客さまは価値を見いだす
「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」
私がもっとも大切にしているのは、具体的な1人のお客さまの理解です。私はそれを「N1分析」と呼んでいます
「N1分析」を通して、そのプロダクトの便益と独自性を導きだします。さらに必要に応じて、量的調査も行い、その便益と独自性に価値を見いだす人がどのくらいいるのかを調べていきます
大事なのは、1つのカテゴリーにとらわれずに、お客さまが求める便益を起点にして発想するということです。「お通じをよくする」というお客さまの便益から考えてみれば、お客さまはヨーグルトのマーケットだけではなくて、便秘薬のマーケットにもいるはずです
どんなビジネスにおいても、最大の壁がプロダクトをはじめて使用した時点での価値の再評価であり、2回目の購入につながるかどうかです
たとえば100人に聞いたら、その答えが100パターン以上になることはなく、主たる便益と独自性に絞ってグループ化すれば、売上の大部分は細かく分けても10~20パターン、たいていは5~10パターン程度で成り立っています
実際のお客さまへのインタビュー調査を行ったところ、1人のお客さまがベタつきと安さをほめながら、「頬が手にくっつくくらいベタベタする」と笑顔でその様子を示したのです。さらに「ベタつきは保湿力が高い証拠」とも力説。これらがコミュニケーションア
イデアの大きなヒントとなり、「手に頬がくっついて離れなくなるほど“もちもち肌”になる化粧水」という訴求に
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「価値とは何か」
「価値の継続性とは何か」
「価格競争に巻き込まれない価値とは何か」
これらを知りたければ、ぜひ、本書を読むことをおすすめします。
人はビジネス書に手っ取り早いノウハウを求めがちですが、結局一番役立つのは、本書のような「思想」や「指針」を教えてくれるだと考えます。
自社の価値創出活動のヒントを探しているなら、本書は間違いなくおすすめの一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』
西口一希・著 日本実業出版社
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◆目次◆
はじめに
第1章 なぜ、多くの人が「マーケティングの樹海」に迷い込んでしまうのか?
第2章 マーケティングとは「価値づくり」
第3章 価値は「お客さま」と向き合うことでわかる
第4章 0から1、1から10、10から1000へ
第5章 マーケティングとブランディング
第6章 マーケティングで継続的に「価値」を高め続ける
おわりに
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