【インド式「稼ぎ方」「働き方」哲学】
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本日ご紹介する一冊は、インド・ニューデリーにコンサルティング会社を設立したという異色の日本人会計士が、インドと日本のビジネスの考え方の違いを述べた、興味深い読み物。

給料も家賃も年率10％上昇するという、まさに「イケイケ」の国、インドで著者が学んだこととは何か。

日本人とインド人の対比が書かれている、という点ではよくある論調なのですが、さすがは現役会計士。ビジネス的な視点からうまくまとめられています。

なぜインド人は即断即決で、日本人はいつまでも稟議に時間がかかるのか、なぜ日本では45歳以上のリストラが悲劇になってしまうのか、なぜ日本人は将来不安でチャレンジもしないのか…。

これまで「日本人の性格」で片づけられていた問題が、じつはシステムややり方に問題があるのかも、と思わせられる内容です。

経営者、人事の責任者は、読んでみると、思わぬ視点が見つかることと思います。教育関係者にとっても、リーダー育成の役に立つでしょう。

いまや、シリコンバレーでも大活躍のインド人。

中国・インドが中心の2030年に向けて、インド人の思考を学んでおくのは、決して損ではないでしょう。

さっそく、いくつかポイントをピックアップしてみます。

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「とにかく日本企業は何ごとも遅いから、待っていられないんだよ」

インドには、「ジュガード」という有名な考え方がある。これはヒンディー語で「機転」「知恵」といった意味の言葉で、意訳をすれば「とりあえず、いまあるものでやってしまおう」ということだ

ちょうど、インド人経営者と会う直前に、日本の大手家電メーカーで45歳以上が大量にリストラされるというニュースがあった。そこで、彼と食事しながらそのことについて、軽く話したのだ。すると、彼はこんな疑問を呈してくる。
「どうして不要になるような人を、45歳まで雇っていたのか？」

インドの仕事は階層ごとに明確に分かれてしまい、違う階層同士が交わることもないので、誰も「次の仕事」「次の仕事をやる人の苦労」を考えることがない。皆、「自分の持ち場」にしか興味がないのだ

インドではエリート層の人間は、最初から入る学校が違う。お金持ちの子どもたちは有名私立小学校に入る。ここまでなら日本と同じなのだが、インドの場合は、さらにその学校の教育内容も違うのだ。先生は繰り返し言う。
「あなたたちは将来人を導く人間になるのだ」
「あなたたちは人の上に立つリーダーになるのだ」
「そのために必要な能力を身につけるのだ」

日本は、「人に迷惑をかけてはいけない」と教える。他方、インドでは、「どうしても人は人に迷惑をかけるのだから、あなたも他人からの迷惑を許せ」と教える

貧富の差が激しく、しかも相続税もないインドでは、実は日本同様お金持ちはやっかみの対象になりやすい。だが、このリライアンス創業者のディルバイ・アンバニ氏は違う。生前、インドで非常に大きな尊敬を集めていたのだ。その理由はカンタンでインド人に言わせると、「彼は自分一代で巨万の富を築いたじゃないか」ということになる

インドの労働者に占める女性管理職の割合は、実は日本よりずっと高いからだ。日本が30代女性で12％であるのに対して、インドは同じ30代女性で48％にも上る

この国では信用できないアカの他人よりも、血縁で絶対に裏切らない人を役員にするほうがまだまし

彼らは皆、基本的に「何かあったら一族で助け合う」と考えている。仮に自分が上手くいかなかったとしても、一族のなかで誰か成功者が出たらその人に面倒見てもらえればいい、という発想だ。そうすることで、みんな新しい発想や、思い切った転職にチャレンジできるし、将来の不安からも解放されるのだろう

（１）自分の人生に本当に必要なものを見直す
（２）そこに集中する
（３）そしてそれを楽しむ

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先日見たニュースで、日本人はエストニアに見学に行っても何もしない、というのが問題になっていましたが、インドでも「行動が遅
い」と思われているとは、これは由々しき事態ですね。

そういえば、日本の大手企業がアマゾンを日本に持ってくるはずだったのにできなかったのは、やはりその大企業の意思決定スピード
が遅かったからだとか…。

ぜひ本書を読んで、インド人の思考を学びましょう。

ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『お金儲けは「インド式」に学べ！』野瀬大樹・著　ビジネス社

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◆目次◆

PART1
即座に、かつ猛スピードで動くインド人
なかなか動けない、決められない日本人
PART2
30年間給料が増えない日本
毎年10％以上給料が増えるインド
PART3
世界的企業のトップに立つインド人
リーダーシップが根づかない日本人
PART4
ミスをしたら自分の責任と感じる日本人
ミスをしても自分のせいだと思わないインド人
PART5
お金持ちがバッシングされる日本
お金持ちが大絶賛されるインド
PART6
お金があるのに将来が不安な日本人
お金がないのに希望に満ちたインド人
エピローグ
日本人の「お金」と「仕事」と「人生」に、
インド式スパイスを加える本当の意味