【三笘薫はここまで考えている。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/457531806X
本日ご紹介する一冊は、サッカーワールドカップ・カタール大会「三笘の1ミリ」で一躍有名になった、三笘選手による自己啓発書。
正直、自己啓発書なのかサッカー少年とその親に向けた本なのか、わかりにくいところがあるのですが、ビジネス視点で見てもじつに勉強になる一冊です。
サッカーという競技の本質を、「最短で素早くゴールに向かうこと」と定義し、そのためにあらゆることをやる。
一流選手の分析や、そこから導き出された仮説、戦略を実現するための緻密なトレーニング…。
なかでも、攻撃を有利にするための、常識外れの身体の使い方、多様な走りのコントロール法などは、著者の勝利への執念を思わせる、ものすごい内容でした。
ここまでサッカーの動きが科学的に言語化されるとは。初めての体験で本当に驚きました。
子どもたちやその親にとっても、世界レベルの思考とマインドが学べる、刺激的な一冊だと思います。
目標設定法から身体の鍛え方、栄養学、メンタル、勝つためにあらゆることを取り入れてきた著者だからこそ書けた内容だと思います。
意外に読者層としてありなのは、プロのサッカー選手で、おそらくプロが読んでも、即役に立つ内容が書かれています。
この本、ちょっと界隈で話題になるかもしれませんね。
あらゆる分野に仕事のヒントを求める、貪欲なビジネスパーソンに、ぜひお読みいただきたい内容です。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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■海外に挑戦してみたい子供たちへの
「3つのアドバイス」
1.自分にしかない武器を持つこと
2.自分を分析する力
3.毎日の努力を積み重ねる
最初に「サッカーノート」という言葉と、それを書く効果を広く知らしめたのは、日本代表の大先輩でもある中村俊輔さん。選手によっては箇条書きのスタイルを取る人もいたが、僕はたまたま、文章として書くことを選んだ。文章で書くことで、「試合の中でこうした課題が見つかった」「今日はどういう練習をして、何ができて何ができなかったか」、あるいは「こんな発見があった」、だから「次はこうしようと思う」と、自分に起こったサッカーに関するすべてを順序立てて整理することができた
当時ボランチだった僕の頭に浮かんできたのは、「どうしてシャビ選手やイニエスタ選手は、誰よりも早くセカンドボールを拾えるんだろう」という疑問だった。そう考えて映像を見直してみると、2人ともこぼれる前からボールの行方を予測して、先に動き出していることが分かった
「自分が勝負を決めてやるんだ」という気持ち、また、そうしなければならないという責任感は常に持っていなければいけないと思う。周りの選手やコーチに「パスを出せ」とか「全部自分だけでやろうとするな」などと言われたとしても、1体1のドリブル勝負を仕掛けて成功させれば、その瞬間にそうした声は称賛に変わるからだ
いつでも自分が蹴ることができる位置にボールを置く
普通は「加速する時に体を倒し、減速する時に体を起こす」と習うはずだ。でも、谷川先生は逆だった。上半身を倒した状態では前にしか進めないが、上半身を起こせば横や後ろにもスムーズに進めると教えてくださったのだ
さまざまな情報を取りこむほど、攻撃をする選手にはドリブルをする際、自分にとって有利な状況が生まれる。これは得た情報の分だけプレーの選択肢が増えるからだ。そのためには、なるべくずっとボールを見ないで止めたり扱えるようにならなければならない
サッカーでは自分がやりたいプレーよりも、相手の立場に立った時に嫌だと感じるプレーをすることが重要
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エムバペ選手や三笘選手のプレーを見て、あのすごい動きはそもそも持っている身体能力やセンスが違うのだと思っていましたが、裏にはこんな緻密な戦略思考があったのですね。
データに基づき、成功確率の高いやり方を愚直にトレーニングを通じてマスターしていく。
ビジネスにも通じる、示唆に富んだ一冊だと思いました。
編集的には、いくつか注文をつけたいところがありましたが、中身はじつに面白い。
ぜひ、読んでいただきたい一冊です。
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『VISION 夢を叶える逆算思考』三笘薫・著 双葉社
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◆目次◆
はじめに 「人とは違う視点」を手に入れるために
第1章 「インプット」では差がつかない時代
第2章 「アウトプット」から始める情報術
ーー最速で成果にたどり着くために
第3章 自分の「立ち位置」を意識することが、差別化の第一歩
第4章 知的生産の秘蔵のノウハウ「20の引き出し」
第5章 最もラクな差別化戦略「デジタルとアナログの使い分け」
第6章 私の情報源(1)コンサルタントが最も重視する「現場情報」の集め方
第7章 私の情報源(2)新聞、雑誌、本、テレビ、ネット……各種メディアとのつきあい方
おわりに
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