2022年3月29日

『コンセプチュアル思考』村山昇・著 vol.5967

【生き方や事業、製品に揺るぎない軸を持つ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479932828X

本日ご紹介する一冊は、『働き方の哲学』が7万部のベストセラーとなっている、キャリア・ポートレート・コンサルティング代表、村山昇さんによる一冊。

※参考:『働き方の哲学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799322389

常識が揺らぐ大変革期に、新しいキャリアやビジネスを創出しようとした時、必要になる考え方が体系的に書かれた、素晴らしい一冊です。

出版が決定するまでには、随分苦労したらしいですが、本書を読んだ一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏は、以下のようなコメントをしています。

<人間の「生き方」の本質は、最初に「分析・理論ありき」ではなく、どういう意味があるのかを問う「意味づけ」にある。コンセプチュアル思考は、「意味づけ」をつくりだす、これからの時代に必要な思考法だ>

「知・情・意」という言葉がありますが、本書でいう『コンセプチュアル思考』とは、まさにこの「意」の思考術。

学んで軸を作り、やがてそれを事業や製品、キャリアとして表現していく、コンセプチュアル思考』の体系が、見事に説明されています。

観察した中からある要素を引き抜くこと、物事の本質を掴むために「定義化」を行うこと、真に画期的な商品・事業を生むために「意志的に定義を変える」こと…。

長らく出版界でコンセプトを創る仕事をやっていますが、ハッと気づかされることが多い内容でした。

ビジネスパーソンの教養として、超オススメの一冊です。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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「人間中心の時代」において「意の思考」は必須の能力

抽象とはある要素を引き抜くこと

「抽象化→概念化→具体化→気づき→(新たな)抽象化」を強力に回していくことで、堅固な観が醸成され、「ぶれない軸」が立ち上がって「ジャイロ効果」のように、回転すればするほど目に見えない自転の軸が立ち上がります

コンセプチュアル思考において最初に学ぶべきスキルは「定義化」

「春」の奥にある「はる」というコンセプトに気づく

ちなみに、夏は「あつ(熱つ)」が変化したという説があります。秋は収穫を終えてじゅうぶんに食べることができるので、その充足の意味から「あき(飽き)」。冬は、寒くて冷えることから「ひゆ(冷ゆ)」、さらに震えるほど寒いことから「ふゆ(振ゆ)」になったと言われています

画期的と呼ばれ、その後に大きな影響を残す商品・事業は、既存の概念・定義を打ち破り、新しい概念・定義に人びとを導くことをします。たとえば、米国スリーエム社が開発した『ポスト・イット』。ふつう私たちは糊といえば「物と物とをくっつけ定着させるもの」という概念・定義を思い浮かべます。しかし彼らは、「糊とは物と物とをくっつけたり、はがしたりできるものである」という独自の概念・定義を世の中に打ち出したのです

独自の観がにじみ出る啓発的な図が描けるか

何もなかったところに1つの観点を起こし、ある概念を打ち立てていくのが視点創出です。ビジネスの世界でいえば、『味の素』は恰好の事例でしょう。味の基本要素が「甘味・塩味・酸味・苦味」の4つとされていたときに、池田菊苗博士は「だし」のおいしさに関心を寄せていました。そこに何か別の新しい基本味があるのではないかという観点を起こしたのです。そして昆布の煮汁から「うま味」成分を取り出すことに成功しました

目標+意味=目的

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先日観た、『ボヘミアン・ラプソディ』で、主人公フレディ・マーキュリーが、こんなセリフを吐いていました。

“I decide who I am.”
(自分が何者かは自分で決める)

読者が自分独自の肩書、キャリア、人生を創出したいと思うなら、本書は間違いなくオススメの一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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『コンセプチュアル思考』村山昇・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

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◆目次◆

第1章 「コンセプチュアル思考」を知る
第2章 ものごとの本質をつかむ
第3章 ものごとの仕組みを単純化して表す
第4章 ものごとの原理を他に応用する
第5章 ものごとをしなやかに鋭くとらえなおす
第6章 ものごとに意味づけや価値づけをする
第7章 事業・製品・サービスを独自で強いものにするために

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