2022年1月20日

『Unlearnアンラーン』柳川範之、為末大・著 vol.5922

【人生100年時代、変わり続けるための技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296000535

人生100年時代の到来を予言し、話題となった、リンダ・グラットン教授のベストセラー『ライフシフト』では、長い人生を生き抜くには、3つの無形資産が必要だと説かれていました。

※参考:『ライフシフト 100年時代の人生戦略』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492533877

3つの無形資産とは、「生産性資産」、「活力資産」、「変身資産」の3つ。

生産性資産とは、仕事に役立つ知識やスキルのこと、活力資産とは、健康や、家族・友人関係などのこと、そして変身資産とは、変化に応じて自分を変えていく力のことでした。

本日ご紹介する一冊は、この3つめの無形資産、「変身資産」を増やす方法を説いたものです。

Unlearn(=アンラーン)とは、過去に学んだこと、経験したことを、一度やわらかくほぐし直し、そこから新たに発展させていく技術のこと。

焦って新しいことを学ぶ前に、過去の過去の癖や思想、スタンスなどを客観的に認識する。それによってインプットの効率がぐんとアップする、そんな考え方です。

独学で東大の教授にまでなった東京大学経済学部教授の柳川範之さんと、400メートルハードルの日本記録保持者でありながら現在は著者、経営者として活躍中の為末大さんが共著で書いています。

日本人は、健康面では70歳を過ぎても働けるようになりましたが、思考やスキルが職場に適応できるかどうかは別問題。

本書には、人生100年時代に生涯現役でいるためのUnlearn(=アンラーン)の技法が書かれています。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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変化に直面したときには、パターン化された「思考のクセ」が柔軟な発想の妨げになることがあります。いや、それだけではなく、「思考のクセ」は自分自身の成長を止めてしまう可能性もあります

アンラーンできればどんな新しい環境であっても人は適応していける

もし競技として自転車と向き合い、トップの自転車選手になりたいのなら、一度は無意識でできるようになったペダリングを、いったん意識の対象にして、その動きを変えていく必要があります。「勝手に足が動く」というような無意識の動きを1回忘れて、意識的にラーニングし直すんです

「セカンドキャリア」を考えざるを得ないときに、それまでに得たものをすべてそのまま抱え込んでいたら、未来の選択肢が非情に狭くなってしまうんです

「集中化」や「固定化」は、あるときには、変化を妨げる要因になってしまう

もっと大きく、より自由に、そして豊かに育っていくことを考えるならば、「剪定」が必要な場合もあります。ある程度育ってしまって、もう成長が鈍化している樹木でも、剪定次第では再び成長速度を上げることができる

アンラーンを実践するための8つの方法
1.「これは、今の会社(環境)じゃなくても通用するだろうか?」と問う
2.今の仕事に就こうと思った理由を問い直す
3.専門外・業界外の人と話す
4.多様な人、異質な人と接する
5.自分がどう見えているか、どうなったらよりよいと思うかを、周囲の人にインタビューする
6.「行動を言葉だけ」で、「自分の仕事を専門用語抜き」で表現する
7.副業をする
8.「早くなじもう」「それらしくなろう」としない

自分自身を定義している言葉は、時代とともに変えていかなければなりません

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副業がUnlearn(=アンラーン)に有効だと書いてあったので、さっそく実践するべく、地元の塾講師のアルバイトに応募してみました。

受かるかどうかわかりませんが、申し込んだ時点で今どきの学習塾がどんな風にオンライン教育しているかがわかり、新鮮な刺激を受けています。

紙幅の大半が、アンラーンの必要性の説明に割かれているのが不満ですが、いろいろヒントがあるので、今すぐ変わりたい人には役立つと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『Unlearnアンラーン』柳川範之、為末大・著 日経BP

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◆目次◆

はじめに 大人にこそ不可欠な「新しい学び」ーーアンラーン
Chapter1 学びの質を高める方法ーー「アンラーン」とは何か?
Chapter2 実践 アンラーンーー自分を「新しく学べる状態」に整える方法
Chapter3 アンラーンを阻む7つの壁と、乗り越え方
Chapter4 「アンラーン」を人生とキャリアの武器にする方法
あとがきにかえて 僕たちがアンラーンに「前のめり」な理由

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