2021年11月22日

『ライフシフト2 100年時代の行動戦略』アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン・著 池村千秋・訳 vol.5884

【待望の続編】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492534431

本日の一冊は、シリーズ累計50万部を突破した、『ライフシフト 100年時代の人生戦略』の待望の続編。

※参考:『ライフシフト 100年時代の人生戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492533877

衝撃の「人生100年時代」を提唱し、話題となった前作ですが、続編では、「100年時代の行動戦略」ということで、今後われわれが取るべき具体的行動について述べています。

今回は、日本の金沢市で暮らす20代半ばのヒロキとマドカ、インドのムンバイで専門職のフリーランスとして働く20代後半の女性ラディカ、ロンドン在住の30歳のシングルマザーのエステル、アメリカのテキサス州ダラスに住むトラック運転手トム、オーストラリアのシドニーで暮らす55歳の会計士イン、イギリスのバーミンガム近郊に住む71歳の元エンジニアクライブといった架空のキャラクターを通し、世界で暮らす人々が置かれた状況や抱える不安、今後の見通しを述べるという内容。

物語ーー自分の人生のストーリーを紡ぐ
探索ーー学習と移行に取り組む
関係ーー深い結びつきをつくり出す

という、3つの視点から人生100年時代の行動戦略を述べており、特に目新しい論点はありませんが、生き方のヒントや働き方、ビジネスのヒントは見えてくると思います。

・社会開拓者として生きる
・学習、勤労、余暇を人生全体に割り振る
・探索と調査をおこなう
・ソフトスキルが重要になる

教育ビジネスや政策、人事に関わる人には、特に面白い視点が示されていると思います。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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バーチャルな働き方がもっと一般的になれば、人々が家族や地域コミュニティと関わる時間とゆとりがさらに拡大するかもしれない。長時間通勤が不要になったとき、私たちの人付き合いの対象は、職場の同僚から、家族や地域コミュニティの仲間に変わる。企業がさまざまな町に「オフィス・ハブ」を開設して、社員が本社オフィスではなく、近所のオフィス・ハブに出勤して働けるようになれば、こうした動きがいっそう後押しされるだろう

問題は、技術的発明が自動的に社会的発明を生むわけではないという点だ。そして、社会的発明が実現するまで、新しいテクノロジーは、真の意味での恩恵をもたらせない

好ましい社会変革とは、「人間とは何か」という、より深い問題に関わるものでなくてはならない。具体的には、一貫性があって前向きな人生の物語を紡ぎ出すこと、探索と実験と学習をおこなうこと、そして、ほかの人たちとの関係を構築・維持することを助ける必要がある

最近は、60~69歳を初老者(ヤング・オールド)、70~79歳を高齢者(オールド・オールド)、80歳以上を超高齢者(オールデスト・オールド)と呼ぶ動きがある

年齢を重ねることを前向きにとらえている人は、否定的にとらえている人に比べて平均7.5年長く生きる

人生の核を成す活動ーー学習、勤労、余暇ーーを人生の特定の時期に集中させず、人生全体に割り振れば、人生のそれぞれのステージにおけるストレスや重圧が軽くなり、トレードオフの選択を強いられることによる緊張を軽減できる

職業人生が長くなっても、子どもが赤ちゃんの間に一緒に過ごせる週末の回数は増えないが、生涯の間に仕事のイベントや打ち合わせに費やせる週末の回数は確実に増える。その結果、赤ちゃんと過ごす時間の価値が相対的に高まるのである

いまの高齢者は「拡大」の時期を生きはじめている

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正直、前作ほどの衝撃はありませんでしたが、それは、著者らが指摘する問題が、経済学・心理学だけでは解決できないということなのかもしれませんね。

とはいえ、「人生100年時代」に、われわれがどう行きていけばいいか、一定のヒントは示されていると思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『ライフシフト2 100年時代の行動戦略』アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン・著
池村千秋・訳 東洋経済新報社

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◆目次◆

第1部 人間の問題
第1章 私たちの進歩
第2章 私たちの開花
第2部 人間の発明
第3章 物語
第4章 探索
第5章 関係
第3部 人間の社会
第6章 企業の課題
第7章 教育機関の課題
第8章 政府の課題
おわりに 未来へ向けて前進する

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